2014年 11月 26日
NM4 〜 あの頃の未来
半月ほど前、バイク7の駐車場にて。
ヤマハのマジェスティが発表されたのは、僕が大学3年か4年の時だったと思う。ニューモデルのカタログが載ったオートバイ雑誌を握りしめて、「金田のバイクみたいなのがでた!」とオートバイ仲間宅に駆け込み、「でっかい原チャやん」と笑われたことがあった。ビッグスクーターとしては既にホンダのフュージョンが出回っていたけれど、当時は純然たるオヤジの乗り物(オートバイとすら思われていなかった)と認識されていて、若者は見向きもしなかった。アニメの世界から飛び出したようなオートバイ(必ずしも共感が得られるとは限らないけれど)、マジェスティは僕にとって、それほど斬新なカタチだった。
グラビアページを舐めるように眺めながら、頭の中で縦にしたり横にしたり、思うがままに走らせた。耳にこだましていたのはシングルの鼓動ではなく、火花を散らしながら回転する甲高いモーター音だった。近い将来、このスタイルがオートバイのスタンダードになるのではないかと、胸を熱くした憶えがある。
結果として、必ずしもそうはならなかったわけだけれど、あの頃の未来はまさしく僕の目の前にある。スクリーン両脇に配置されているのは小物入れであって、ミサイルランチャーや高出力レーザーではないこと、動力を未だ化石燃料に頼っていることは予想外だけれども。