タグ:マックスフリッツ ( 14 ) タグの人気記事

くせえ、反吐のにおいだ。

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 1週間ほど前から、身の回りのどこかで、ほのかな臭いを感じることがあった。感じた一瞬の後には消えていて、陽炎のように正体がない。嫌な臭いではあるのだけれど、どこか親しみ深いものも感じていて、それでもなお鼻につく悪臭ではある。一番似ているのはオシッコだがアンモニア特有の刺激臭はなく、汗の臭いのようでもあり手垢のようでもあり、とにかく得体が知れない饐えたような臭いだ。
 その正体がやっとわかった。常日頃から愛用しているマックスフリッツ謹製ウエストバッグ、モンゴルツーリングモデルだ。思えば2014年2月に購入して以来、雨の日も風の日も遊びにも仕事にも1日と欠かさず連れ回して、たったの一度たりとも洗ったことがない。収納物は多岐にわたる。食べ物を入れたまま数週間にわたって忘れていたこともあるし、腰痛対策で常備しているバンテリンの蓋をキッチリ締めていなくて、中身が染み出したこともあった。パーキングエリアのトイレで、腰に巻いたまま用を足そうとし、誤って滴をひっかけたことがないとは言わない。色が黒なのでわからないだけで、相当汚れているに違いない。

 こびりついた汚れを落としたいのだけれど、どうなんでしょう。ネットに入れて洗濯機で回してしまっていいものでしょうか。ペットボトル入れの内張りとか、剥がれてしまわないかしら。 注意事項があれば教えていただきたく・・・
 


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by TigerSteamer | 2015-10-26 23:24 | ツーリング

惜念の春

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 桜の花が咲き乱れ、すっかり暖かくなってしまった今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
 さて、当ブログでは昨年末より、厳寒のもとでマックスフリッツ製ウォームパンツのレビューをしたためるべく、苛酷なダイエットに取り組んできました。最近は効果も着々と現れ始め、眩暈や嘔吐感を伴わずに履くことができる域にまで達していました。しかし、あと少しが及ばず、今後は寒の戻りにも期待できないことから、今季の実戦投入は不可能であると判断しました。ウォームパンツは来年の冬に向けて一旦お蔵入りし、思いも新たに春からの食欲シーズンに備え、胃腸のウォームアップに専念したいと思います。僕のダイエットを応援して下さった皆様には心からお詫びします。マックスフリッツが、もうワンサイズ大きなパンツを作ってくれたら良かったのですが、こればかりはどうにもなりません。

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 忸怩たる気持ちを吹っ切って、南阿蘇の「みそらやcafe」でこのブログを書いています。甘い物とコーヒーの組み合わせって本当に素晴らしいですね。
 

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by TigerSteamer | 2015-03-24 14:00 | 雑記

お客様より喜びの声(?)

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2014.1.7 ジェノイルジーンズ(size52)

参照:今年の抱負にかえて



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2014.4.1 ハーフレザーパンツ(size52)

参照:「デブでも履けるマックスフリッツ」のテブの範疇に自分が含まれなかったことについて、僕からの返事



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2015.2.3 ウォームパンツ(size52)


 なんとか入った。しかし少しでも力を入れるとハジけ飛びそうだ。あともう少し精進が必要だ。頑張れ俺。
 

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by TigerSteamer | 2015-02-03 17:17 | 雑記

ビーナス

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 カフェ・ド・パリのオープンテラスで遅目の昼食をとっていたところ、水差しを手にしたマスターが、さりげなくテーブルの横に立った。
 グラスの水は減っていない。マスターは儀仗兵よろしく捧げ銃のまま往来に視線を向け、おもむろに話し始めた。僕は僕で目の前の皿しか見ていない。黙々と口と手だけを動かし続けている。向こうが一方的に口火を切り、僕が食事の合間に返答を挟む。マスターと僕の会話は、ほとんどの場合、独り言の応酬のようにして始まる。

「ところで、31日はマックスフリッツへ行くんですか」
 31日は土曜日だ。毎月恒例の朝ツーは、第何週目のかは知らないけれど、たしか日曜日のはずだから、その日ではない。
「いえ、何かあるんですか」
「モトナビカフェがあるんですよ、マックスフリッツ福岡の10周年を兼ねて。カフェ自体は隣のアールズでやるらしいですが」
 初耳だ。R's Cafeと言えば、31日は夜から内山覚さんのライブがあるはずだ。
「たしかあの子が来るんです。ほら、国井律子さん。知ってますか」
 先ごろ第一子を出産した女性ライターの顔を思い浮かべた。マックスフリッツとの付き合いが長いという話は、どこかで聞くか読むかしたことがある。
「そうなんですか。正直言うと、あんまり興味がないんです」
 モトナビカフェに興味がないのではない。僕が言ったのは、国井律子氏に代表される女性ライダー兼ライターのことだ。綺麗な女性だとは思うし、著書も何冊か読んだことがあるけれど、とりわけ女性であることとライダーであることを組み合わせると、途端に興味が薄れる。ふだん意識したことはないけれど、どこかでオートバイは男の乗り物だと思っている前時代的で偏狭な男なのかもしれない。
「私もです」
 おやっと思った。話の流れからして、ああいった感じの女性が好みなのかと思ったのだ。
「私に言わせれば、ほんの小娘です」
 いつになく饒舌だ。こんなによく喋る人だっただろうか。心なしか語尾が弾んでいるように聞こえる。いつものマスターは、眉根にシワを寄せた髭面の強面で、無口ではないにしろ多くを語らない印象があった。僕との間で交わされる会話はオートバイに関するものが主で、軽く当たり障りのない範囲に留まっていた。
「やっぱり堀ひろ子さんですよ。憧れでした。いい女だった。彼女に比べたら、国井律子はまだまだです」

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 一瞬、その名前がイメージを結ぶのに時間がかかった。僕とマスターの間には十近い年齢の隔たりがあるし、堀ひろ子氏は僕の世代ではない。
 話がおかしな方向に逸れたな、と思った。チラリと店内に視線を移すと、フロア係の奥さんはカウンターの内側で忙しく動き回っていた。あたり前だけれど、この会話は耳に届いていないようだ。堀ひろ子さんに纏わる話は、徐々に熱を帯びながら続いた。僕は首筋にチリチリとしたものを感じながら、なんとか話の向きをオートバイ談義に修正しようと試みた。そろそろ仕事に戻さないと、奥さんの逆鱗に触れるのではないかと危ぶんだのだ。
「なんでしたっけ、堀ひろ子さんのオートバイ」
 マスターは即座に食いついた。
「ラベルダ1200LTD。私は昔、夜の首都高速で軽く競ったことがあるんです。とんでもないパワーでした。あっという間に千切られましたよ」
 長い沈黙が流れた。遠い記憶に想いを馳せているのかもしれない。マスターはやがて、ボソリと呟いた。夢を見ているような、うっとりした口ぶりだった。
「はあ、たまりませんでしたね。彼女のハングオン・・・あの腰つき・・・」
 もうダメだ。僕の手には負えない。グラスの水を一気に煽ると、ごちそうさまを言って席を立った。振り向きざまに見ると、マスターの顔は煮崩れた里芋のように間延びしていた。鼻の下がみょいーんと伸びて、のっぴきならないことになっている。

 僕も男だから、そのての話に興味がないわけではない。これが女性タレントや身近な誰かの話なら、もっと盛り上がっていたかもしれない。女性ライダーの草分けであり、レース活動や文筆業など多岐に渡って活動していた堀ひろ子氏と国井律子氏を比べるのは、やや筋違いであるような気もする。
 ただ、単純に昔の誰かと今の誰かの対比というのなら、ちょっと思い当たる節はある。

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 佐藤真紀嬢だ。かつてエイ(は木偏に世)出版のライダースクラブ誌に携わっていた女性編集者で、サティの愛称で親しまれていた。現在は古巣を離れ、八重洲出版に移られたらしい。

 僕はライダースクラブを購読したことがないので、彼女がどういった記事を書くのかは知らない。ただ、たまに「らいでぃんぐnavi」で見る彼女は、いつも目を惹く存在だった。色気よりも元気をふりまくタイプではあるけれど、それも無節操にピチピチと弾ける感じではなかった。メインキャラクターである根元健氏や編集長である竹田津敏信氏の横にいて、相手の言葉に耳を傾けては大きなリアクションでコメントを挟む姿は、単なるアシスタントではない能動的な美しさと知性に溢れていた。彼女のしぐさや表情には、なんとなく自分の置かれている境遇を窮屈に感じているように見える瞬間があった。妙に刹那的で投げっぱなしな感じが、10分足らずの番組に生きていた。
 それに比べたら、イズタニ嬢はまだまだだと思うのだ。なにしろ若い。可愛らしすぎる。ファンを名乗る男性は増えるに違いないけれど、それは番組とは関係のない部分だ。アシスタントとしては優秀なのかもしれないけれど、刺身のつま感は拭えない。

 そんなことを考えつつ、ふと思い立ってYouTubeで彼女の出演している回の「らいでぃんぐnavi」を検索したら、モニターに映った自分の鼻の下が、見事なまでにみょいーんと伸びていた。否定はしない。たまらなかったのだ、あのスリムジーンズをカッコ良く履きこなす腰つきが。

(5/31追記) すごく綺麗な人でした。少女のような可憐さと、しっとりした大人の色気が同居した、まさに天使でした。とても一児の母には見えません。マスターの目は腐ってます。

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by TigerSteamer | 2014-05-30 23:45 | オートバイ

今日も決め手の銭が飛ぶ

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 カーゴパンツのポケットには、迷った末にコインホルダーを移植した。洗濯の時には取り外せるよう、裏はベルクロで固定してある。歩く時にチャリチャリ音がするのが欠点だけれど、思ったほどには気にならない。試しにスキップしてみたら、こころなしか陽気な気分になったから、これはこれでヨシとする。それに少々の欠点を補って余りあるほどに使い勝手が良い。容量が大きいから、お札やカード類も同時に収納できる。財布よりも便利だ。

 我々、非ETCライダーにとって、有料道路の料金所は難関の一つと言っても過言ではない。オートバイを停めてグローブを脱ぎ、ジャケットのポケットから取り出した切符を手渡し、財布を取り出し、そこからお金を抜き出して手渡し、お釣りを貰って財布に戻し、グローブを付け直してようやくゲートを通過できる。モタモタしているうちに、後ろに長蛇の列ができたとイメージしてみて欲しい。苛立ちを押し殺すトラックドライバーの渋面がバックミラー越しに確認できる。クラクションでも鳴らされようものならパニックを起こしかねない。さらに、焦りのあまり手元が狂って小銭をバラ蒔いてしまったとしたらどうだろう。僕なら逃げる。そのまま、金も地位もすべてを放り出して逃げ出す。その手間を大幅に短縮できるのだから、こんなに素晴らしいことはない。つかの間、自分のクレバーさに酔った。

 つけたら試してみたくなるのが人の性だ。いきなり高速道路でお披露目というのもなんなので、まずは近所のファーストフード店のドライブスルーで試してみた。あまり混雑していないであろう朝方を狙って、颯爽とオートバイを乗り付けた。注文用のマイクに向かって排気音に負けぬような大声でソーセージマフィンと怒鳴った。ヘルメットを被っているせいか、スピーカー越しに店員がなんと言ったのか聞き取れなかったけれど、きっとマニュアル通りの対応だったに違いないので問題はない。アクセルを軽く吹かすと、そのまま店の周囲を半周して受け取り口にの前に横付けた。
 ここがポイントだ。後ろブレーキをじんわりとかけてスピードを殺し、すかさずクラッチを切り、停まると同時に左足を出して車体を支える。同時にアクセルから手を離して右大腿部のカーゴポケットのチャックを引き開け、中に親指と人差し指をつっこんで100円玉を2枚抜き出す。その間、わずかに3秒ほど。指ぬきグローブをつけているのでスピーディーだ。そしてソーセージマフィンは200円。これも既に確認済みだ。

 ただし、澱みなく洗練された流れるような一連の動作を目の当たりにして、店員の目が驚きに見開かれたかと思いきや、窓口の扉が未だ閉まったままだったことは想定外だった。ようやく顔を覗かせたアルバイト嬢は商品より先に会計を促すと、用意に時間がかかるので、できあがるまで店の前の白線の内側で待つようにと言い放った。ソーセージマフィンが手元に届くまでに、エンジンを止めて5分ほど待たねばならなかった。
 たしかに誤算ではあったけれど、それは店員の教育がなっていないからであって、カーゴパンツのポケットに仕込んだコインホルダーの素晴らしさはいささかも揺るがない。それに何も見せびらかしに行ったわけではないから問題はない。
 残念ながら僕がダイエット中であるため、ソーセージマフィンは同居している祖母の昼食にすることにした。言わずもがな、ジャンクフードはデブの素だからだ。最近とみにピントがズレ始めた彼女は、まるで壊れ物を扱うようにマフィンの紙包みを両手で押し頂くと、なんども僕に礼を言いながら裁縫箱の中にしまいこんだ。なんだかすごく良い事をしたような気がした。

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 僕のブログを隅から隅まで読んでいる熱烈なファン(いねえよ)なら、当然お気付きかとは思う。先だって、コインホルダーをウエストバッグのベルト部分にも仕込んだことは記憶に新しい。よって都合2つのコインホルダーを備えることになるわけだ。口さがない者からは、どんだけ小銭が好きなんだ、お前は銭形平次かとツッコまれそうだけれど、これに関しても問題はない。ウエストバッグを巻いていてカーゴパンツを履いていないことだってあるだろうし、その逆もまた然りだからだ。そしてコインホルダーはベルクロ留めで脱着自由だ。

 ちなみにその3日後、おかしな臭いがすると騒ぎ出した母の手によって、ソーセージマフィンは無事にゴミ箱行きとなった。つまり実験は大成功であり、SSTRでの実戦投入を待つばかりというわけだ。
 

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by TigerSteamer | 2014-05-12 20:38 | オートバイ

コロンブスの卵

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 とにかくカーゴパンツが凄いのである。オートバイとの相性が抜群だ。本当にライディングウェアが発祥じゃないのかと問いただしたいくらいだ。これを考えた人にはノーベル賞をあげてもいい。あるのかないのかわからないSTAP細胞なんかメじゃない。もう手放せなくなりそうだ。
 あまりに無知で恥ずかしいけれど、実際に身につけるまで、横のポケットはアクセサリーの一種だと思っていた。いちおう物入れの体裁は整えているけれど実用には適さない、服飾品には稀にそういった飾りがある。おしゃれな人にとっては当然のことなのだろうけれど、僕などは無頓着なものだから、しょっちゅう重たいものを入れて型崩れを招いたり、縫い目をほつれさせたりしている。

 ところが、このカーゴパンツはそんなことはなかった。その上、ズボンや胸のポケットから中身を取り出すのと比べても、ダブルアクションとシングルアクション、オートマチックピストルくらいに手間が違う。布が張り詰めたりたわんだりしていないから、非常に使い勝手がいい。両手を使う必要も、体を捩ることも、ねじ込んだり引っ張り出す力もいらない。さらに死角にもなっていないから、指先だけに頼らず目で見て確認できる。クルーザーならば話は違うだろうけれど、ニーグリップを常用するタイプのオートバイの場合、大腿部は常に車体の一部と化している。そこに小物入れを増設したわけだ。ハンドルを握っている手を離して、数十センチ後ろの太ももの上にスライドさせればいい。すごく自然でロスが少なく、さらに速やかだ。僕のタイガーには荷物をしまえるスペースがないので、よけいに重宝する。

 たとえば右脚にタバコ、左脚に携帯灰皿というのはどうだろう。・・・いやもったいない。もっと効率的な収納を考案したほうが良さそうだ。なんかないですかね、目からウロコが落ちるような使い方が。
 

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by TigerSteamer | 2014-05-04 17:35 | ツーリング

SSTR用秘密兵器

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 仕事から帰ると、僕宛の小包が届いていた。送り主の住所は東京都目黒区とある。例の品に間違いない。壊れものでないのはわかっているけれど、雑に扱うのは憚られた。うやうやしく掲げ持ち、おっかなびっくり開梱し、絹を扱うような慎重さでテーブルの上に広げた。期待が半分、諦観が半分、今はまだ無理でも猶予期間はある。

 ダイエットの成果と呼ぶには尚早だ。まだ着せてもらっているだけだ。思い切りお腹を引っ込めて、なんとかボタンが留まった。お店では売っていないサイズのカーゴパンツ。念願のマックスフリッツ。喜びに痺れた。ピチピチではあるけれど、思ったとおり履き心地がいい。一度裾を通したら、もう脱ぎたくなくなってしまった。いっそ今夜はこのまま布団に入ろうかとも思ったけれど、少し考えてやめておくことにした。目が覚めたらファスナーが弾け飛んでいたなんてことになったら、目もあてられない。綺麗に畳んで枕元に置いた。
 まだ入っただけだ。ひと月後には、これをすっかり自分のものにして、千里浜の海岸で記念撮影を受けているはず。こんな僕でも少しはカッコ良く写るだろうか。

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 マックスフリッツ福岡の西様より、お祝いの(ウエストが入っただけにしては豪華な)品をいただいた。お下がりだろうか。長年に渡って誰かの膝を守ってきた、百戦錬磨のニーパッドだ。プロテクターである以上に御守りでもある。道中の安全を祈って、これも旅の供にしよう。
 

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by TigerSteamer | 2014-04-28 00:25 | オートバイ

あなたの知らない世界

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 時は15〜16世紀、大航海時代に沸く地中海沿岸のどこか、好景気から取り残されたような寂れた港町の寂れた酒場で物語は始まる。

 夜もとっぷりと更けた頃、酒場の主人が最後の客を追い出して、入り口のかんぬきをかけようとしたところ、扉の内側に小さな紙片が留めてあるのに気付く。
 こんなものを貼り付けた憶えはない・・・息子だろうか。好奇心が旺盛な年頃とはいえ、店には来るなとキツく言っておいた筈なのに。訝しく感じつつ何気なく紙片を広げると、そこには黒ポチ(黒い丸?)が描かれていた。主の顔は一気に青ざめ、ガタガタと震え出した。誰がこんな手の混んだ悪戯を。しかし、この符丁の意味を知る者は、そう多くないはずだ。酒場の主は、かつて地中海沿岸を荒らし回った海賊の一味だった。残虐非道、冷酷無比と怖れられたフリント船長の片腕だった。黒ポチは、海賊が仲間に招集をかけるときの印なのだ。

 しかし、なぜ今頃になって。主が船乗り稼業から足を洗って随分たつ。今では妻も子供もいる身だ。小さいとはいえ自分の店も構え、ようやく生活が軌道にのってきた矢先なのだ。しかし、招集に応じないということは、海賊仲間では裏切りを意味する。その果ては魚の餌だ。
 主は両手を縛られ、足に重りを結わえつけられた自分が、船べりから虚空に向けて架けられた板を渡る姿を想像した。それだけは避けなければならない。自分が死んだら、誰が妻と子を守ってやれるというのだ。それにフリント船長は死んだはずではなかったのか。たしかに死んだ。自分はたしかに、その亡骸を見た。





 これが僕の記憶しているスティーブンソン著『宝島』の出だしだ。なにぶん子供の頃に読んだきりだから、余計な脚色を加えてしまった自覚はある。大筋では間違っていなくても、酒場ではなくて床屋だったという程度の記憶違いはあるかもしれない。ためしに、青空文庫からダウンロードしてパラパラ捲ってみたところ、それらしい場面がまるでなくて驚いた。なにか別の作品と混同しているのかもしれない。

 僕の記憶している宝島は、酒場の主の息子が主人公だ。かつてフリントが死んだとき、唯一信用のおけると見込んだ手下に自分のナイフを託した。そのナイフの柄には財宝の隠し場所を示した地図が仕込んであって、それを狙った隻腕隻眼の海賊シルバーと、追いつ追われつの大冒険を繰り広げるというのが粗筋だ。父親を人質にとられた少年が、知恵と勇気を尽くして海賊達と渡り合い、時には大人たちの力も借りながら勝利する。最後は悪者をやっつけてハリウッド風のメデタシメデタシかと思いきや、なにやら続編がありそうな終わり方で、それがなおさらイマジネーションを掻き立てた。しかし、導入が間違っているとすると、その後に続く物語も大幅に変わる怖れがある。宝島は読めばいいとして、何と混同しているのかが気になって仕方がない。誰か心当たりがあったら教えて欲しい。

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 なぜ『宝島』なのかと言えば、つい先ほど、とある人物からこんなステッカーを貰ったからだ。おそらく、これが黒ポチなのだと思う。僕は招聘されたのだ。応じない場合、どうなるか知れたものではない。
 マッチ箱サイズで、色合いも目立たない。これではよくよく目を凝らさないと気が付かないだろう。タイガーの黒い車体に貼ると、完全に見えなくなってしまうに違いない。だからこそ怖ろしい。日常に潜む闇と言うべきか、ぱっと見だけではわからない正体不明の存在を暗示しているかのようだ。つまり、HRC(Honda Racing Corporation)のロゴにそっくりなのは偶然ではない。豊田商事とトヨタ自動車が無関係なのと同じことだ。何の気なしに誘いに乗ったら、相手はその道の人で、あれよあれよと周りを固められて、わけのわからない間に暗がりに引っ張り込まれ、抵抗される間も無くあんなことやこんなことを。全然それっぽくないので疑いもしなかったけれど・・・まさしく変態だ。

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(注 画像はイメージです)

 その名を「原田駅前変態クラブ」という。東京に本店を構えるアパレルメーカー、マックスフリッツの福岡店が極秘裏に運営する会員制クラブだ。何をする集まりなのか、それはここではお教えできない。倫理的に甚だしく問題があるからだ。それに、このブログを読んでいる貴方たちには、まったく縁のない世界なのだから。
 君子危に近寄らず。好奇心は犬をも殺すという言葉がある。ここまで言っておいてなんだが、どうか努々お忘れなきよう。あなたの知らない世界は、普段なにげなく暮らしている風景の中に紛れ、ひっそりと息づいているのです。
 

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by tigersteamer | 2014-04-16 18:52 | オートバイ

「デブでも履けるマックスフリッツ」のテブの範疇に自分が含まれなかったことについて、僕からの返事

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 半月ほど前から緩やかに制限を加え始め、ヨーグルトとフルーツのみの夕食に切り替えて今日で5日目になります。
 朝は普通に食べて(あくまで普通に)、昼はおにぎり2個と汁物、夜は脂肪ゼロのヨーグルトとフルーツだけ。今夜は摩り下ろしリンゴと混ぜてみました。一応の充足感は感じるものの、炭水化物による満たされ具合とは全然ちがいます。そもそも、僕のようなブルーカラーの食事ではありません。

 重さを欠いた夕食は一時の気休めにはなりますが、乾いた砂が水を吸うように、瞬く間に胃の腑から消えてなくなります。以降は「茶腹も一時」を撚り合せて空腹感と戦います。こんな時は早く寝るに限るのですが、夜中に目が覚めてしまうと地獄です。ひたすら目をつぶって眠ることに集中するため、ブログを更新する余裕がありません。
 その代わり、毎朝のごはんが楽しみになりました。もう、すっごく楽しみです。朝ごはんのために生きていると言っても過言ではないのです。もちろん知ってはいたけれど、玉子ごはんと味噌汁がこんなに美味かったなんて。

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 首尾よく痩せられたら、自分へのご褒美にコレを買うのです。マックスフリッツから先ごろ発売された、オーナーデザイナー佐藤義幸氏が総てのメタボリック中年へ垂れたもうた慈愛と温情と博愛精神の賜物。たとえピチピチでも膝が曲がるよう、後ろ半分はストレッチコットンでできているという、いじましくも涙なしでは語れないウエスト90cm(ちなみに僕のウエストは103cm)のハーフレザーパンツ、通称『デブでも履けるマックスフリッツ』。どうかその時まで、売れ残っていますように。
 

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by TigerSteamer | 2014-04-01 04:00 | 雑記

マイ プレシャス

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 とうとう手に入れた、これが僕の”いとしいしと”だ。ただ今、あれこれ試すのもままならないほどに忙しいので、実用例は後日お伝えしたい。このブログを読んで、今か今かと待ち構えていた読者(いるのかしら?)に取り急ぎお詫びしなくてはならないのは、発売は3月と聞いていたので悠長に構えていたら、納期が早まったらしく2月中になったことだ。これがお詫びにあたるのかどうかは別として、3ヶ月の筈がかれこれ9ヶ月待っても梨の礫のウィルバー君に、爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。

 それと大切なのは、これが税込12600円だということ。色は黒青橙の3色から選べること。マックスフリッツで絶賛発売中だということだ。
 それから、横にしたハードカバーが4冊! 入るけれど、だからと言って調子に乗って実行に移すと腰への負担が半端じゃないこと(もう試した)。メインの収納スペースがパンパンになっても、ツーリングマップルは別のポケットに入れられること。自由度が高い上に大小様々なポケットがあって、さっそくベルトの小物入れにコインホルダーを仕込んだこと。うまく工夫すればグローブホルダーもイケること。
 以前、ウエストバッグに関する記事にこんなことを書いた。
 ツーリングに出かける時にウエストバッグに収納しているのは、財布、iPhone、auのガラケー(iPhoneはソフトバンクなのだ。あとは察しておくれ)、雨天時に電子製品を避難させる為のジップロック、デジカメ(入れてないこともある)、タバコ(タバコ入れには鍵束を入れている)、ライター、携帯灰皿、iPhoneの予備バッテリーだ。これにタオル地のハンカチ、ウエットティッシュ、小さなサイズのペットボトルが加わることもある。また、バンドエイドやマキロンなどの救急セットを入れていたこともあった。
 もちろん全て叶った。僕のために作ってくれたのではないだろうかと勘違いしそうなくらい、収まるべきところにスッポリと、機能的かつ美しく収まった。つまり長年の想いは成就したのだ。

 注意しておきたいのは、画像の笑顔の素敵なエルフ風の男性は僕のプレシャスではないし、僕でもないことくらい。ちなみに、本物の僕はゴラムを5倍太らせて両腕を縛り、まるまる12ラウンド戦わせた上で水に沈めてふやけさせた感じだ。
 僕と”いとしいしと”の馴れ初めについてはこちら → 『収納の妙』
 切ない恋物語についてはこちら → 『すてきな片想い』
 そもそも”いとしいしと”とかゴラムとかの意味がわからない人はこちら → 『ホビットの冒険』

 既に決めたのは二つ。次の休みは絶対に”いとしいしと”と旅に出る。5月のアレも”いとしいしと”を腰に巻いて参加する。迷っているのは、ツーリング用だけではなくて、仕事用にもう一つ買うかどうか。これの使いでときたら、遊びだけでは勿体ない。釘袋(的な)としても使いたいくらいだ。

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by TigerSteamer | 2014-02-23 01:10 | ツーリング