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第三の趣味

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 どうせ三日坊主になるのだから・・・と、内なる声がする。音感もリズム感もないに等しいのに、なぜか周期的に楽器をマスターしたいという欲求がわいてくる。ウクレレ教室に通うのは(まだ通ってないけど)今回で二度目だ。前回は今を去ること3年ほど前のこと。初回のレッスンで、地井武男そっくりの先生から「あなたのウクレレは楽器ではありません。オモチャです。買い直してから来てください」と言われ、腹が立つやら情けないやらで、それっきり通わなくなった。教本やチューニングの道具まで含めて3000円の安物だったから、ひょっとしてその通りだったのかもしれないが、右も左も分からないビギナー相手に、あの言い草は酷すぎる。金輪際、音楽教室になど通うものか。かくなる上は独学でと決意したところまでは良かったが、五線譜も読めない僕には荷が重すぎた。
 幸い、この教室は楽器店も兼ねているようだし、最初にオモチャではないウクレレを購入しておけば、門前払いをくらうこともないだろう。思い立ったが吉日。時は来たれり・・・よし行こう!


 このブログは暫らくの間、「ジェイク・ズタ袋(←僕)のウクレレ地獄篇」に宗旨替えするかもしれません(しないかもしれません)が、早ければ三日で元の路線に復帰しますので、どうぞこれまでと変わらぬ御愛顧をお願いします。
 

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by tigersteamer | 2013-04-30 15:18 | 雑記

そして、杖立村へ行ってきた

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 あれは母の声だったと思う。不躾に「あんたの子供が認知症になった」と言われて、東京から大分の山中にある病院へ連れて行くことになった。その病院が認知症治療の権威なのだそうだ。
 ここで「認知症」という言葉が登場したのは、それが普段仕事で聞きなれているからで、実際は「発達遅滞」ではないかと思う。これもまた、仕事柄よく耳にする言葉だ。発達遅滞は知的障害ではないし、まして認知症とは関係がない。病院で治療を施すような病気でもない。頭では理解しているつもりなのだけれど、心の奥深いところでは同じようなものだと認識しているのかもしれない。反省したからと言ってどうなるものではないけれど、少し恥ずかしく思う。

 たしかにスタート地点は東京のはずだったのだけれど、実際に子供を迎えに行ったのは博多駅の筑紫口だった。見慣れた風景だったから、まず間違いはない。久しぶりに会うような気がしていたのはなぜだろう。ひょっとすると僕には離婚歴があって、子供は母親が引き取って育てているのかもしれない。
 一目見た瞬間に、胸の中が熱いものでいっぱいになった。ただ、頭では自分の子供だと認識しているのだけれど、それはどう見ても僕の弟だった。実際に子供はいないのだから、記憶の中の一番近しい子供のイメージを拝借したのに違いない。小学校に上がる頃か、その少し前の姿だった。
 見知らぬ女性が息子の手を引いていた。彼女が僕の妻なのか、それともただの知り合いなのかはわからない。赤の他人と言うことはなかろうと思う。あまり重要な役ではなかったらしく、それ以降登場することはなかった。
 嬉しそうに僕を見上げる息子と手を繋いで、どこか知らない街を歩いた。随分楽しかったような気もするけれど、よく思い出せない。

 スーツ姿の男性から、書店の倉庫のようなところに案内される場面があった。倉庫といっても、腰を曲げなければ入れないような狭いスペースだ。 裸電球に照らされた薄暗い空間で、僕の息子は遊びに没頭していた。
 散らばった本はページが折れていたり、破り取られたりしていた。「子供のすることですから仕方ありませんよ」と微笑む男性に、住所を書いたメモを渡して、必ず弁償しますからと詫びた。
 書架の狭い棚にもぐりこんでいた息子を抱き取ると、僕の首ったまにしがみついてきた。悪い事をしたという自覚はなさそうだった。
 こんな時、実際の僕なら頭ごなしに叱りつけるかもしれない。でも、そうはしなかった。小さな体を抱きしめて、どうかこの子を救ってくださいと神様に祈った。

 なにせ時間がたっているものだから、大部分は既に抜け落ちている。ただ、目の醒める寸前、僕は子供の手を握って、空一面を泳ぐ鯉のぼりの群れを見上げていた。

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 熊本県の杖立に、鯉のぼり祭りと言う行事がある。川の両岸から何本もロープを渡して、そこに鯉のぼりを泳がせる。 風の強い日に、全身をうねらせながら河を遡上する鯉の群れは、川底から水面を見上げているような錯覚と共に、見る者を圧倒する。

 子供の両脇に手を差し入れて、頭の上に抱えあげた。短い腕をいっぱいに広げて、無邪気にはしゃいでいたような気がする。よく憶えていない。後から付け足した記憶かもしれない。ただ、僕は息子の頭越しに広がる真っ青な空を見上げながら、この上なく満ち足りた気持ちだった。たしか笑っていた筈だ。

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 あの時、僕が両手に感じていたぬくもりはなんだったのだろう。目が醒めた後しばらくは、体を動かすことさえできなかった。目尻がカサカサに乾いていた。どうやら泣いていたらしい。はらわたを抜き取られたような、強烈な喪失感だった。
 

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by tigersteamer | 2013-04-23 22:07 | ツーリング

看板娘

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使った金額1,000円未満
評価(星4つ)
 日記を遡ると、初めてママドックを訪れたのは2008年の9月7日とある。ひと昔のような気がするけれど、あれからまだ5年も経っていない。ずいぶん長い時間が過ぎた気がするのは、5年では収まり切らないくらい色んなことがあったからだ。その間には、疎遠になった友人もいるし、新たな出会いもあった。どんなに会いたくても、もう二度と叶わない人もいる。

 当時の僕は、地元のミニコミ紙に寄稿するのが目的で、旨いホットドッグを探して県内を走り回っていた。口コミやインターネットの情報をたよりに行き着いたのは、志賀島にあるピンク色のホットドッグワゴンだった。まだ、その場所で営業しはじめてから日が浅かったはずだ。ワゴンの正面にはMama Dogと書いてあるのに、カタカナ表記はママドッグではなく、ドック。どうでもいいようなことが気になったのだけは、しっかりと憶えている。
 この日、何を食べて、店のママさんと何の話をしたのか、思った通りの味だったのか、それとも期待外れだったのか、一切の記憶がない。ゆっくり味わうどころではなかった。なんの因果か一緒に店を訪れることになった883乗りの女性に、すっかり心を奪われていたからだ。人見知りが激しくて、滅多に一目惚れはしない質だから、自分でも驚いた。これは運命かもしれないと思いつつ、何のアクションも起こせないまま、3年ほど淡い想いを抱いて恋は終わった。彼女も今では立派な人妻だ。

 去り際に、オートバイ仲間に宣伝しておきますと伝えた。志賀島にありながら、一番の得意になるべき海水浴客を上手く取り込めていないように感じたからだ。もっとも、本気で売り上げに貢献しようとしたわけではない。その逆で、できれば隠れ家的な店として、胸の内に大事にとっておきたかった。しかし同時に、そうはならない予感もあった。事実、店の評判はオートバイ仲間の間で瞬く間に広まった。もともと福岡県有数のツーリングスポットだから、注目されるのは時間の問題だったとも言える。志賀島を根城にする常連ライダーの憩いの場として、あるいはツーリングライダーの旅の目的地として、ママドックの存在は着実に定着していった。
 ママドックの成長を助けたのは、そこに出入りする有志たちだ。僕もその一人だと言いたいところだけれど、気が向いたときに行く程度で、訪れるたびに大きくなっていくのを、ただ口をぽかんと開けて眺めていただけだ。

 そう、初めてママドックを訪れた時に、はっきり記憶に残ったことが、もう一つある。店の周りをチョコチョコ走り回っていた女の子。ママさんの一人娘で、ことなちゃんという。たしか小学校に入学する前だから、4つか5つ。幼稚園には行っていなかったはずだ。お母さんのお手伝いと、お店やさんごっこが半分ずつ。ウェイトレスの仕事にまだ慣れておらず、お釣りの計算が上手くできないようだった。ただ、看板娘としては一丁前で、照れ隠しの笑顔をふりまきながら、客と店の間を何度も行ったり来たりしていた。

 もし、ママドックと、ママドックを取り巻く環境と、そこに関わった沢山の人達が一つの物語になるとしたら、それは男勝りなママさんの苦労話ではなく、ママドックに足を踏み入れた客達のオムニバス形式でもなく、この看板娘の成長譚にしてほしい。大人たちは皆、歳をとりすぎている。オープンしてたったの5年。お話はまだ、始まったばかりだ。

4/23 追記 そうそう、初めての時の思い出をもう一つ。四枚目の画像に写っているパイプ椅子を、尻の重みで押し潰したんだった。あれから5年、椅子一脚分くらいの売り上げには貢献できたかしら。
 
店舗情報
ママドック
福岡県福岡市東区志賀島(大字)2013

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by tigersteamer | 2013-04-21 02:56 | ツーリング飯

名犬 栗之助

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 新聞漫画版「ちびまる子ちゃん」の連載が終了してから、もう随分たつ。その後釜として始まったのが、この「おーい栗之助」である。栗之助は犬の名前で、江戸時代を舞台に犬と飼い主である浪人一家を描いた、ほのぼのギャグ漫画だ。正直なところ、ちびまる子ちゃんに輪をかけて、くだらない漫画が始まったと思った。

 大して笑い所があるわけでもなく、社会風刺を盛り込む機知にも乏しい。よって新聞漫画には適さないと切って捨てたのは、子供の頃からサトウサンペイの「フジ三太郎」や園山俊二の「ペエスケ」に親しんできたからだ。両者ともに時事ネタが多く(ペエスケは途中からその傾向が強くなった)、いかにも社会問題を世に問う新聞の四コマ漫画といった風だった。 その差は夕刊の「ウチのげんき予報」と比べても歴然で、あきらかにネタ切れと思しき脱力を伴う回もある。
 ところが毎日、なんの気なしに目を通すうちに、この「栗之助」こそが新聞四コマの正しいカタチなのではないかと思えてきた。なんというか、くだらなくて実に邪魔にならないのだ。

 寄席演芸の中に「色物」と呼ばれるカテゴリーがある。もとい、カテゴリーと言い切って良いものか。要するに寄席のメインディッシュである落語に対して、漫才や手品、声帯模写など、それ以外の芸人を一絡げにしたジャンルのことだ。
 色物の役割はただ一つ。場の空気を冷まさないように繋ぐことである。この際に、主役である落語家を凌ぐほどウケてはならない。これが考えるだに難しい。「刺身のツマ」的でありながら、常に客から一定の反応を引き出す熟練の技が必要である。おそらく、落語家よりも笑いをとれるだけの腕がなければ、とうてい演じることができない役割だ。そう考えると、存在自体にジレンマを抱えてしまいそうな立ち位置。この「刺身のツマ」に徹する「色物」こそが、寄席の本当の立役者なのではないだろうか。

 この例えが正しいものかどうか自信がないけれど、新聞漫画とは新聞における「色物」ではないかと思う。ただし、とてつもない重責を負った「色物」だ。
 寄席と違うのは、この「色物」が大トリを勤める点だ。第一面で未曾有の大災害を報じ、政治面では政治家の腐敗を知らしめ、生活面では値上がりする物価に警鐘を鳴らし、社会面では悲惨な事故の被害者数を数える。
 そして最後に「色々あったけど、昨日も平和でした」と、四コマ漫画が呟く。毎日のように、記事の邪魔にならないよう、さりげなく呟くのだ。

 栗之助は偉い。どんなに優秀な新聞記者にも、この役は務まらない。漫画では、とぼけたキャラクターとして描かれているけれど、まれにみる名犬である。
 

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by tigersteamer | 2013-04-16 01:59 | 雑記

逆襲のラムチョップ

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 毎月16日はラムチョップの日だ。その日は必ず仕事帰りにラムチョップを食べる。食べに行くのはだいたい同じインド料理店で、店と常連客という関係が嫌いな僕にしては、長期間に渡って良い関係を築けていると思う。月に2〜3度というペースが、多くもなく少なくもなく、丁度良いのかもしれない。注文する品はまちまちで、カレーがメインのコースに付けあわせ程度のラムチョップだったり、ラムチョップを数人前とナンにサラダだけだったりする。

 ウェイターのインド人の青年がとても人懐こくて、ちっとも日本語が上手くならないくせに、客の好みはよく憶えている。辛さや付け合わせの量を加減してくれるほか、食前にラッシーをサービスしてくれるのもいい。
 店側から特別扱いされたり、コミュニケーションを求められたりするのが嫌で、気に入った店になればなるほど無愛想を貫いたりするのだけれど、この店に限っては気にならない。
 他の客のテーブルには盛んに愛嬌を振りまきに行くウェイターが、僕の所にはオーダーを取る時と料理を運ぶ時以外は寄り付かないのもいい。それでいて、クリクリした目と彫りの深い少年のような顔立ちで、ニコニコしながら「ソロソロ来ル頃ト思ッテタ」などと言われると、縮れた髪の中に指を突っ込んでクシャクシャ掻き回したくなる。(断っておくが、変な趣味はないぞ)

 先日、そのインド料理店との蜜月に、あわやヒビが入るかも、という事態に陥った。はたからみると、実にしょーもない理由で二度と行かなくなったりする狭量な人間なのだけれど、好きで長く通った店だけに絶交するのは惜しい。
 きっかけは些細なことだった。うっかりラムチョップを注文し忘れたところ、ウェイターがこう尋ねたのだ。

「今日ハ、マトン食べナイ?」

 マトン? 思わず聞き返しそうになった。僕の大好物はマトンじゃない、ラムだ。

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羊肉(ようにく)は、羊の肉である。生後およそ12か月以下の子羊の肉はラム、それよりも年をとった羊の肉はマトンと呼ばれる。ただし厳密には、永久門歯の有無により区別される。(Wikipediaより転載)

 一般にマトンは脂が多く、臭みがあってラムよりも格が下がるとされる。ラムと偽ってマトンを出すというのは、他のものに例えるなら、若鶏と偽って地鶏を食わせるようなものだろうか(違う)、それともハマチと偽ってブリを食わせるような(これも違う)、バイク屋が中古バイクのトリップメーターを巻き戻して販売するような行為かもしれない。よく聞く話ではあるけれど、バレると悪徳ショップのレッテルを貼られて、某大規模掲示板上で晒されたりする。
 
 これに腹を立てるにしろ、こちらの認識に間違いがあってはならない。急いで家に帰って羊肉について調べてみたところ、さらに驚愕の事実が判明した。
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マトンというと日本では、羊肉ですがインドではヤギ肉もマトンです。
というかむしろマトンと言ったら「ヤギ肉」をさすのが普通です。(インド人シェフのブログより転載)

 これはもう、門歯がどうこうといった問題ではない。回転寿司でマグロの中トロだと思って食べていたものが、実はグロテスクな深海魚だったというくらいの衝撃だ。聞くところによると、ヤギの肉は臭みが強くて、よほど食べ慣れた者でない限り喉を通らないらしい。滋養強壮に効果があると聞くが、味が濃厚すぎて逆に食欲が減退するとも。その癖の強さたるやマトンどころではないそうだ。羊頭狗肉とは聞くけれど、羊頭山羊肉は初めてだ。四文字じゃないから浸透しないのかも。

 しかし、せっかく良好な関係を築けた店だ。下手にクレームととられて、それを境に面倒な客としてブラックリストに載るような事態は避けたい。インド人ウェイターの悲しむ顔も見たくない。伏せた長い睫毛を小刻みに震わせながら、目尻に浮かんだ涙がみるみるうちに大粒に膨れあがって、はらはらと声もなく泣き始めたりしたらどうしよう。なんと声をかけたらいいだろう。次からサービスのラッシーが出てこなくなったら・・・。
 マトンが羊だろうかヤギだろうが構いやしない。そんなことに拘る奴は、よほどケツの穴が小さい男に違いない。猿でもラクダでもドンとこいだ。

 とにかく、尋ねるにあたっては、さりげなく、あくまでさりげなく、決して詰問口調になってはならない。たとえ最悪の答えが返ってきたとしても、相手を非難したり、あからさまに落胆したりしてはならない。興味本位を装って、深い意味を持たせずに発しなくてはならない。
 コミュニケーションのスキルがゼロに等しい僕にとって、これは難題だ。ああでもないこうでもないと無い知恵を絞りながら、それでも日をおかずに店を訪ねた。時間が経つと、なしくずしにしてしまいそうだった。

 以下、インド人ウェイターとの会話
「・・・それと、ラムチョップをふたつ」
「ラムチョップ2ツデスネ」
「そうそう、ところで、ラムって何の肉?」
「ラムワ"ヒツジ"デス」
「羊って、もこもこした?」
「モコモコ?」
「つのの生えた?」
「ツノ生エテマスカ?」
「メーメーって鳴く?」
「メーメー?」
「ユキちゃんだよね、ハイジの(注:ユキちゃんは雌の仔ヤギ)」
「ユキチャン? 誰デスカ?」

 どうやらヤギではないらしい。ホッと胸をなでおろすと同時に、背筋に緊張が走る。最悪の事態は回避された。しかし、問題はここからだ。

「ラムチョップはラム?」
「ラム? ソウ、ラムチョップ」
「マトンではなくて?」
「アー、違ウ。マトン、ウチノ"ラムチョップ"ワ"マトン"デス」
「やっぱりマトンなのか。なんかこう、歯触りとかがラムじゃないなーって感じはしててね(嘘)。そうかそうかマトンか、そんなこた別にどうだっていいんだけどね」
「ソウデス。"マトン"ト"ラム"ワ同ジ」
「でもマトンなのにラムチョップなのはなぜ?」
「・・・ラムチョップダカラ。"マトンチョップ"ナンテナイデス」
「・・・なるほど。こやつめ、ハハハ!」

 言われてみれば確かにその通り。豚バラに串をうっても焼き鳥は焼き鳥なのと同じことだ。なんか腑に落ちないけれど、まあいいか。美味いし。
 

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by tigersteamer | 2013-04-10 22:15 | 食べ物一般

ドアラの中身

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使った金額1,000円未満
評価(星3つ)
 ガチャピンの中の人を云々するのは興ざめだし、いるのを前提でいないと言った方が絶対に楽しい。いつもの人とは違うんじゃないかと口にするのは無粋だけれど、各人が心の中で邪推? する分には自由だし、面白い。
 スキューバにスノーボード、スカイダイビングにモトクロスその他諸々、そのどれもがプロ級の腕前ときた。これだけ派手にやってくれれば、見ている方も暗黙の了解で、わざとらしくも、あえてつられてあげるという楽しみ方もある。
 これがガチャピンではなくて、中日ドラゴンズのマスコット、ドアラだと話は少し変わってくる。試合の合間に見せる派手なバク宙と、ほかのマスコットとは違う独特な動きが特徴のキャラクターだ。
 ガチャピンと違って様々なスポーツに挑んだりするわけではないから、中の人が入れ替わる必要はない。しかし逆に言えば、入れ替わっていたとしても傍目からはわからない。バク宙は失敗続きで、グラウンドに叩きつけられている姿を頻繁に目にするから、とっくの昔に身体はボロボロになっていても不思議はない。あれだけ特徴のある動きだと、中のスーツアクターにとっては逆に演じやすいのではなかろうか(そんなことないか)。もしドアラ用員が2〜3人いて、知らぬ間に入れ替わっていたとしたら・・・。
 どうということはない。中身が誰だろうが、ドアラはドアラだ。いちファンとして応援するのにやぶさかでない。

 ガチャピンとドアラの話は、今回のテーマと直接の関係はない。長いながーい・・・余談だ。
 福岡と佐賀の県境にある三瀬峠に、オートバイで遊びにいくたびに立ち寄るうどん屋がある。暖かくなったので久々に足を伸ばしてみたら、店の周囲に以前はなかった幟が立っていて、なんとなく(勘違いかもしれないが)掘っ建て小屋のような店舗も綺麗になったような感じがした。もともと注意深く見ているわけではないから、何が違うとは言いにくい。ただ、細かいところがチョコチョコ違うような気がする。
 思い切って、店員に違和感の正体を尋ねてみたところ、あっとビックリ、店のオヤジが別人だった。なんでも、昨年の暮れにオーナーが交代したのだそうだ。冬場は道路が凍結するから、オートバイでは来にくい。遠ざかっている間に中の人が変わっていた。

 ・・・だからどうしたと言われれば、どうもしない。前のオーナーからレシピこみで店を買い取ったらしいから、細かいサービスは違うものの、大した差はないように感じる。うどんの味が落ちたとは思えない(通が食べると違うのかもしれないが)し、これからも今まで通りに通うつもりだ。

 もとから具として載っている三瀬鶏の細切れ肉のほかに、ゴボ天(ゴボウの天ぷら)をトッピングして、唐辛子をしこたま振りかけて食べるのが好みだ。黒々としていて脂の浮いたスープは、下界と温度差のある山の気候によくあっていて、寒い季節に体を芯から暖めてくれる。夏場は汗をダラダラかきながら啜るのもいい。食べ終えて店の外に出た瞬間に、ひんやりした涼を感じる。
 うどんだけでは足りないなら、かしわ飯を一緒に注文してもいい。こちらは作り置きで数に限りがあるから、午後の遅い時間だと売り切れていることがある。
 
店舗情報
地鶏うどん・そば 峠屋
福岡県福岡市早良区曲渕(大字)1195

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by tigersteamer | 2013-04-05 12:47 | ツーリング飯

三瀬峠の向こうに・・・

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 もう走り飽きた感があるけれど、相変わらず三瀬にはよく通っている。セローで遊びに行くのに、ちょうど良い距離だからだ。僕の家からだと、他には志賀島だとか、温泉を探しに行った高良山あたりがいい。英彦山もギリギリ許容範囲だけれど、あの近辺にある美味しい食物屋を知らないので、なかなか足が向かない。ないということはなかろうから、開拓してみる価値はあると思う。

 なんの許容範囲かといえば、オフロード車にはつきものの、尻の痛みを感じずに済む範囲内にあるということだ。長時間オートバイに跨っていると、細いシートが臀部に食い込んで痛み始める。尻の幅や肉の厚さには個人差があるから一概には言えないけれど、僕の場合だと、途中で十分な休憩をとった上で、走行中の立ったり座ったりを挟みながらでも、100km程度で限界がくる。そこから先は痛みとの戦いだ。セローでロングツーリングに出かけて、日に1000キロを走破するようなツワモノもいるわけだから、あまり軟弱なことを言うと鼻で笑われそうだけれど、他人様よりケツがデカいのだから仕方がない。逆に言えば、100kmから向こうはタイガーのテリトリーであって、こないだの阿蘇ツーリングなんかは、完全にミスチョイスだ。行きの行程から拷問のようだった。
 とはいえ、僕が三瀬峠に通うのには、他にも理由がある。

 国道263号線を福岡市内から佐賀県へ向けて走ると、みるみるうちに視界の中の緑が占める割合が増えていく。5割を超えたあたりがピークで、そこが福岡と佐賀との県境、残りは空の青だ。
 徐々に信号と信号の間隔が広くなり、道路が蛇行しはじめる。ギアチェンジの回数が減り、あるいは増え、単車乗りの心がはずみはじめる。自然とアクセルも開きがちになる。
 沿道に蕎麦屋の看板が目立ちはじめる。ここいら辺から先を「蕎麦街道」と呼ぶ。もともと蕎麦を栽培していた土地ではないけれど、いつの頃からか綺麗な水を求めて蕎麦屋が集まってきた。水が綺麗だから食い物が美味い。のっぺい汁の店がオススメなのだけれど、今回は先を急ぐので素通りだ。

 やたらと「石釜」を冠した食物屋の看板が目につき始める。一般に言うイシガマは石でできたオーブンのことだ。すぐに浮かぶのはピザかパンだけれど、何故かここにはない。その代わりに、焼肉の石釜亭や、創作料理の店がある。環境が環境だけに、調理の道具も自然派志向なのだろう。
 そう納得しかけたところで、デカデカと石釜豆腐の看板が目に飛び込んでくる。

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 近くには石釜蕎麦まである。そうか、なるほど、イシガマのカマはオーブンのことではなくて鍋釜のカマ、焼くのではなくてお湯を沸かす道具なのだと考えれば納得がいく。竈に据えた石臼的な物をイメージしながら、たしかに火の通りが良さそうだと一人で合点する。
 しかし、残念ながら両方とも間違いだ。この場合の石釜は地名であって、調理の道具ではない。実際に石釜を使っている店もあるのかも知れないが、そうでなくても名前に偽りはない。たとえ石釜で煮ていなくても石釜豆腐の「よせ豆腐」は絶品だが、先を急ぐので今日は素通りだ。

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 目の前に巨大なループ橋が姿を現す。佐賀県と福岡県を結ぶ交通の要所で、細くて曲がりくねった三瀬峠の交通の便を解消するため、数年前に完成した。壮大なスケールで見る者を圧倒するが、延々と左バンクを強いられる上に景色が良いわけでもないので、走っても楽しいものではない。新道に比べると路面は悪いけれど、手前から左にそれて旧三瀬峠を越えた方がいい。しかし、今日は先を急ぐので、料金所で金を払ってここを通る。5分ほどしか短縮できないのだけれど、あえて通る。先を急ぐから、のんびりしていると間に合わないからだ。

 三瀬トンネルを抜けると、ワインディングはぐっと控え目になる。美味しいところを逃したことになるけれど、帰りにゆっくり味わえばいいのだから、別に惜しくはない。
 ラストスパートだ。緩やかなカーブを抜け、森と田園に挟まれた緑の真ん中を、そこだけ染め残したような直線の半ばに目的地はある。石窯パン工房「北山の森 ベルボアーズ」。石窯は正真正銘の石窯で、この店のパンは石でできたオーブンで焼いている。豆腐屋や蕎麦屋のように地名からきているわけではない。

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 初めて店に足を踏み入れたのは、去年の秋だった。店の前に「アップルシュトルーデル」なるものの宣伝がしてあって、興味をそそられたのだ。ただ、その時は口にすることが叶わなかった。既に売り切れていたのだ。
 パン屋で売っているのだからパンなのだろうと思って、どんなものなのか店員に尋ねてみたところ、パンではないという。パンでないならケーキか。いえ、ケーキでもありません。じゃあ、お菓子のたぐいか。いや、菓子といえば菓子ですが、お菓子でもないような・・・。
 なんとも曖昧で頼りない返事に絆された。以来、店の前を通る度に寄っていたのだけれど、いつ行っても品切れときた。
 なんでも大変な人気で、昼前には売り切れてしまうのだそうだ。

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 そして、これがそのアップルシュトルーデル。さんざん急いで昼前についたおかげで、2つだけ残っていた。味はどうぞ、機会があれば皆さんでお試しあれ。リンゴの他にもチーズにナッツ、干し果物が詰まった焼き菓子で、オーストリアの家庭の味だそうだ。(例によって、美味しそうに見えないのはカメラマンの腕のせいです)
 

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by tigersteamer | 2013-04-02 17:10 | ツーリング

トライアンフ タイガー399i発売

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 Triumphは、斬新で個性的なデザインのツーリングモデル「Tiger399i」をタイで生産し日本国向けとして6月に発売します。
 このTiger399iは、シティユースとツーリングユースを融合させたモデルです。開発コンセプトは、あらゆる場面で活躍するマルチパーパスモデルとし、コンパクトで扱いやすい車体と、大型アドベンチャーモデルを彷彿させる本格的な装備を採用しています。
 スタイリングは、コンパクトで親しみやすいサイズとしながら、実用性に優れ、ボリューム感と躍動感を強調することで、遊び心も兼ね備えたものとしています。
 車体は、新設計のスチール製モノバックボーンフレームを採用。18リットルの大容量タンク、大型キャリアケース、路面の状態や用途によって使い分けるマルチ・トラクションコントロール、ワイドサイズの前19・後16インチタイヤや倒立タイプのフロントフォーク、前・後のディスクブレーキ、ABSなどの本格的な装備を施しています。
 エンジンは、「Daytona675」などに採用し、扱いやすさや独特のパワーフィールで定評を得ている水冷・4ストローク・DOHCを、新たにスケールダウンした399cc・3気筒を採用。6速マニュアルミッションの採用などで、市街地や郊外のレジャー用途で力強く扱いやすい出力特性としています。
 このTiger399iは、日本国内モデルとしてタイから日本に輸出する計画です。




 なんてことがあるとイイね!
 あれ、俺だけ?
 

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by tigersteamer | 2013-04-01 10:54 | オートバイ