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単車乗りクイズ

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 以前から不整脈に悩まされていた僕のタイガー900ですが、先月のツーリング中にやたらとノッキングするようになりました。帰宅途中にそのまま入院の措置をとったところ、どうやら弱っていたプラグが完全にお亡くなりになったのが原因のようです。3気筒の内の1発は完全に死んでおり、もう1発は死に体、最後はシングルエンジン295ccで走っていたとのこと。とりあえずプラグを交換するだけで動くようにはなりましたが、年式や走行距離から予想するに、そろそろオーバーホールの頃合いではないかと医者は言います。

 安心したのも束の間、今度はギアをローに落とした途端にエンジンが停止するという、致命的な症状が出始めました。ニュートラルでエンジンをかけてサイドスタンドを上げ、ローに落とした途端に回転がピタリと止まる。何度かやるとまともに動き始めるものの、徐々に繰り返す回数が多くなっていきました。さしあたっては始動時だけの症状ですので事故の危険性はありませんが、絶対に走行時に発症しないとは言い切れません。

 大出費の予感から目を逸らしつつ、だましだまし乗るのも限度があります。そこでディーラーに持ち込んで修理を依頼する事にしました。自社製オートバイの事なら知らぬことはない店員は、なんどか症状を確認した後に言いました。
「クラッチが完全に切れずに止まっているわけではなさそうですね。おそらくギヤをバラすことになると思うんですが、この年式のタイガーは外側のボックスごと交換することになりますんで、工賃別で20万くらいは見積もっておいてください」

 今の僕にとって、20万円という額は大きすぎます。一応考えさせてくださいとだけ告げて店を後にしました。そのまま、すがるような思いで時々お世話になるチューニングショップへ向かいます。
「この年式のトライアンフは、国産バイクのパーツを大量に流用してますんで、上手くいけば10万前後で済むかもしれません。もちろん不可能なケースだってあるわけですが・・・」
 数々の改造車を手がけてきたベテランのメカニックは、頭を掻きながらこう言いました。ここにきて、ようやく見えた光明でした。さすがはチューニングショップです。純正パーツではなく流用品を使う事で値段が半分になりました。しかし、それでもまだ大きい。

 このままの勢いで3軒目に向かう事にしました。一番お世話になる事の多い近所のバイク屋さん、と言っても扱っているのは原付と自転車が半々です。店主はゴマ塩頭のお爺ちゃんで、昔は外国車専門のオートバイショップを経営していたそうですが、隠居して店を息子に譲ってからは、子供や主婦相手の商売を細々と営んでいます。
 お爺ちゃんはディーラーやチューニングショップと同じように、首を傾げながら何度か症状を確認していました。そして車体の下を覗き込んだりアチコチをイジったりしたあとで、こともなげに言いました。
「はい修理終わりましたよ。そうねー、シリコンふった他は特に何がかかったってわけでもないから、タダでいいよ」

 長い長い前フリでした。さてここで問題です。僕のオートバイはどこに異常があったんでしょうか。その箇所と理由を明確にお答えください。

 
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by tigersteamer | 2013-02-28 05:11 | オートバイ

スープの包容力

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使った金額1,000円未満
評価(星4つ)
 仕事帰りに、麺屋 一成へ寄った。
 メニューも見ずに「こく味」を注文する。今夜あたり、ぜひとも燃料を補給しておきたかった。これでなければ駄目なのだ。
 この店は僕のお気に入りではあるけれど、とくべつ頻繁に通っているわけではない。一時は三食ラーメンも珍しくない食生活を送っていたけれど、最近ではどうしても食べたくなった時にだけ、限られた店にしか行かなくなった。悲しいかな、おそらくは歳のせいだ。

 ヘロヘロのヘナヘナになった時、精をつける為に食べる物と言えば、貧しい食文化に身を置く僕の場合だと、ニンニクをしこたま入れたラーメンくらいしか浮かばない。
 本当なら焼肉や鰻と言いたいところだけれど、疲労防止ではなく、すでにヘバってしまってからだと脂っこいものは逆効果で、スタミナ回復どころか逆に消耗する結果になるそうだ。しかし、栄養士推薦の野菜スープなんぞを飲んだところで効果があるとも思えないわけで、ならばプラセボ効果(?)に期待してラーメンとなる。ツルツルっと入るからというのもある。それだって十分に脂っこい食べ物だから、五十歩百歩もいいところなのだけれども。

 普段は絶対にラーメンにはニンニクを入れない主義だ。客の前に出てきた時点で完成された味なわけだから、わざわざ余計なものを足して味を崩すことはないと思うからだ。実際、ニンニクを入れて美味しくなるラーメンに巡り合ったことがない。
 いや、ないわけではない。確かに味は変わるけれど、崩れるというわけではなく、ニンニクの刺々しさがスープのコクとまろみに上手く絡み取られて、別の美味しさに化ける場合がある。紅生姜や辛味ダレにも言えることで、これをスープの包容力と呼んでいる。
店舗情報
一成
福岡県筑紫野市原田1丁目8−7

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by tigersteamer | 2013-02-25 23:53 | 食べ物一般

ジェラシー

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「虎蒸気くんが乗ってきてるバイクって、なんシーシーあると?」
「225ですけど」
「えっ、そげん少ないとね。なんか半端かねえ」
「(ムッ)通勤用ですから、そのくらいで十分なんですよ」

 いつもとかわらぬ職場の昼下がり。パートのおばちゃんが、おずおずと僕に問いかけた。いつも笑顔の絶えない彼女の表情が、こころなしか翳って見えた。
「あのね、わたしの息子がね、オートバイば買ったとよ。危ないけん反対しとったっちゃけど、どうしてもって聞かんでから、こないだ免許ば取ったと」
「なんてバイクですか」
「あのね、川崎のね・・・あのね・・・ぜっと・・・ぜっと」
「アール?」
「ううん、名前ば教えてもらったけん、待ってね」
 エプロンのポケットから、ちんまりとした紙切れを取り出した。まるまっちい指がちまちまと動いて、細かく折畳んだ紙片を広げた。
「あのね、ぜっと、えっくす、てん」
「アール?」
「そう、それ」
 驚いた。しかし、おそらく時代が変わったのだ。免許をとって最初に乗るバイクがZX-10R。それがとんでもない事のように思える、僕が時代遅れなのだ。
「どげんやろか、初心者向けで乗りやすいって言うとったけど」
「・・・・・・」
「スピードもあんま出らんって」
「・・・・・・」
「1000シーシーのね、思ったより小さいバイクって言ってた」
「・・・おばちゃん、それは騙されてるよ」
 彼女は深い溜息と共に視線を落とした。
「やっぱそうよねえ」

 僻みがあったと思う。学生時代に一発試験を計18回、半年かけて限定解除した時の苦労が蘇った。初の大型は中古のCB750Fだった。20年前の当時ですら、なかば旧車扱いされていた欠品パーツだらけのオートバイを、知人から格安で譲ってもらって大切に大切に乗っていた。
「おばちゃんの息子のバイクね、たぶん、新幹線より速いよ。はやぶさは無理かしらん、でも、ひかりやこだまよりは速い」
「ええっ、そげん出るとね!」
「息子さんに、いっぺん話をした方がいいですよ」
「そうねえ、それがいいかねえ、でもねえ・・・」
「もう買ったなら仕方がないけど、きちんと言って聞かせないと。若い子は無茶をしがちだから」
(まだ親掛かりの分際で、母親を心配させたらいかん。乗るんなら乗るで、心配してくれる人を騙すような真似をしたらいかん)

 必死に弁解していた、自分自身に。自分の僻みや妬みを、とってつけたような安っぽい正義感へ挿げ替えようとしていた。
 自分のことはすっかり棚に上げていた。我ながら呆れてしまう。それに、最高速度が問題ではないのだ。それは乗っている自分が一番よくわかっている。
「でもねえ・・・お嫁さんも応援してるって言うしねえ」
「え?」
「お嫁さんが言うと。お母さんの反対を押し切ってバイクに乗るなら、中途半端な決心じゃいかん、雨の日も風の日もバイクに乗らんといかんって」
「そんな問題じゃ・・・」
「しっかりした、男勝りな人でねえ」
「ちなみに、息子さんはいくつですか」
「今年で三十五よ」
「さんじゅうご?」
「うん・・・でもなんか、本当のことを聞いたら安心した。ありがとね、虎蒸気くん」

 彼女の表情は、先ほどとはうってかわって晴れ晴れとしていた。そして、ようやく気付いた。これは最初から相談ではなかったのだ。
 スキップせんばかりに歩み去る背中を見送りながら、激しい徒労感に襲われていた。そして自己嫌悪にも。てっきり脛かじりの吐いた我儘だと決めつけていたら、実は孝行息子の思いやりからきた方便だった。 最低なのは僕の方だ。
 そんな僕の心中をよそに、彼女の声は今日も明るい。

  
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by tigersteamer | 2013-02-24 19:40 | オートバイ

屈折した愛情

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作品名喰いたい放題
作者名色川武大
評価(星3つ)
 阿佐田哲也の訃報を聞いたのは、高校三年の春だった。二年間通った高校をクビになり、新たな地で、新たな生活を始めた矢先だった。「色川武大さんが亡くなったらしいよ」と、教えてくれたのは母だったと思う。何の感慨も抱かなかった。新しい環境に慣れるのに精一杯で、それどころではなかったのだ。返事をしたかどうかも記憶にない。なぜなら、僕は不覚にも、その名が阿佐田哲也と同一人物を指すのだとは知らずにいたからだ。
 阿佐田哲也は、漫画と児童文学しか知らなかった僕に、初めて大人の世界を垣間見せてくれた作家だ。同時に麻雀の師匠でもある(だから弱いのかもしれない)。一方で、色川武大の名前も知ってはいた。著書も、直木賞受賞作を中心に、数冊読んでいた。割と好きな文体だった。にもかかわらず、僕はこの作家の書くものを良いとは認めたくなかった。

 晩年の作品に「喰いたい放題」というエッセイがある。もうすっかり脂っこさが抜けてしまった頃のものだ。いわゆるグルメ本なのだけれど、他の作家のそれと比べて特に変わっているのは、殆どが作者の好き嫌いに終始している点だ。どこそこの何が旨いというのではなく、これはこうやって食すと美味だというのでもなく、これは好きこれは嫌いというレベルで終わっている。それだけならいいのだけれど、その食の好みが、僕の嗜好と悉く逆を行っている。僕のあまり好きでないソラマメを「これさえあれば他はいらぬ」と言い、女子供の食い物だと馬鹿にしていた「もんじゃ」に一考説たれ、とどのつまりは「蕎麦はうどん粉に限る」と言い切る。蕎麦っ喰いの僕としては憤懣やるかたなしだ。うどん粉が好きなら黙ってうどんを食えばいいのだ。なぜそこで蕎麦を引き合いに出す。

 どんなに尊敬してやまない相手であれ、食の好みがあわないと心中は穏やかでない。一緒に飯を食いに行ったとして、同じものを食べて同じ感慨を抱けぬとあれば、肩透かしを食ったような気分に陥るだろう。それが一つや二つではなく、食全体に及ぶのだから始末に悪い。なにやら、鼻で嗤われているような気すらする。

 ときどき、ふと思い出して阿佐田哲也の本を引っ張り出し、読んでみようかなという気分になる。我ながら馬鹿馬鹿しいとは思うけれど、決して色川武大ではなく、阿佐田哲也だ。それは、僕が一番尊敬してやまない作家だから。色川武大を敬遠するのは、色川武大を愛してやまないからだ。わかるかな、わかんねえだろうな。
 

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by tigersteamer | 2013-02-22 16:25 |

教えていただきたい

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 割とミーハーな質で、好きな映画俳優が沢山いる。中でもケビン・コスナーの出演作品は殆ど観ている。初めて出会ったのは中学生の頃だ。忘れもしない西部劇「シルバラード」、ケビンはまだ出演者の一人でしかなかったけれど、同じ日にハシゴした「ファンダンゴ」では、立派に主役をつとめていて驚いた。以来、「ポストマン」や「ウォーターワールド」などといった、一般には迷作・珍作扱いされている作品まで何度も繰り返し映画館へ足を運んだうえ、セルビデオやDVDまで持っている。

 失敬、今回のブログのタイトルと映画談義は、直接なんの関係もないのだけれど、もう少しだけ付き合って欲しい。
 ケビン・コスナーが日本で紹介され始めた当時、あまりに無名で情報が無かったものだから、マスメディアは彼の名前をケビン・コス"ト"ナーと表記し、呼び習わした。アルファベットで書くと、Kevin Costnerだから、SとNの間のTをローマ字読みで発音したわけだ。
 ケビンは瞬く間に大スターになったから、この誤解はすぐに解かれたのだけれど、僕に限っては随分あとになるまで知らぬまま過ごした。高校受験を迎えて、のんきに映画鑑賞などしている場合ではなくなったせいだ。その後、無事に進学して、新しくできた映画好きのクラスメイトから訂正されるまで、コストナーだと信じこんでいたわけだから、まる1年くらいだろうか。ファンだと公言していながら正確な名前すら知らなかったわけで、顔から火が出るほど恥ずかしかった。テレビや雑誌でも、当たり前のようにコスナーを連呼していて、まるで狐につままれたかのような、信じていた大人に裏切られたような、複雑な気分になったものだ。

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 と、ここからが本題だ。
 タイガーのハンドガードに、ACERBISの製品を愛用しているのだけれど、未だに正しい読み方がわからない。購入する時はネット通販だったから、呼び名などどうでも良かった。
 通いつけのバイク屋の親父はアサルビスと平板なイントネーションで呼ぶが、僕はアチェルビスが正しいと確信している(だってバイク雑誌に書いてあったし)。しかし、友人はエーセルビスと巻舌で(ネイティブっぽく)発音し、SNSで知り合った人は日記にアチェロビスとカタカナで表記している。これだけでも既に4パターン、探せばもっとあるに違いない。

 どうでもいいと言えば、どうでもいい事には違いない。しかし、妙にトラウマを刺激する問題でもあり、口にするには抵抗がある。どなたかご存知ないだろうか、アサルビスなのか、アチェルビスなのか、はたまたエーセルビスなのか、アチェロビスが正しいのか。もしくは、全部間違っているのか。
 

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by tigersteamer | 2013-02-18 02:39 | オートバイ

されど、タコ焼き

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 大手安売り量販店の店頭販売でタコ焼きを買った。きっと安売り繋がりなのに違いない、ひと舟が100円だ。発泡スチロールの皿に8個入りで、さらに20円足せばマヨネーズの小袋がついてくる。値段に比例して量が少ないなどということはなく、大きさも他店に見劣りしない。これで儲けが出るなら、余所はどれだけボッタクリなのよと思える。

 ソースの焦げる匂いが空腹を刺激した。青海苔と鰹節に関しては少し控え目な気がしないでもないけれど、別に味にこだわりがあるわけでなし、だからといってタコ焼ごときに優劣などあるわけがないと思っていた。
 それにしても安い。ひょっとしてタコが入ってなかったりして……などと独りごちつつ口に放り込んで驚いた。ボソボソしていて歯切れの悪いタコは万年筆用の砂消しゴムのようで、咀嚼すればするほどに磯臭さが滲み出てくる。何か間違ったコダワリがあるんじゃないかと勘繰りたくなるくらい外側も内側も均一にブヨブヨで、クリームコロッケの衣を剥いだような代物。コストダウンのため、いろんな物を省いたに違いない。ふやかした防波堤のテトラポットを食べているようだ。

 吐き出したい衝動をすんでのところで堪え、無理に飲み下した。食べ物を粗末にすることに、もの凄い後ろめたさを感じるタチなのだけれど、とてもそれ以上は口にする気が湧かない。さりとて捨てるのはもったいない。逡巡している間にも、タコ焼きはどんどん冷めていく。アツアツの焼きたてを逸して、もはや食べ物ですらなくなりつつある。迷いに迷った挙句、結局は持ち帰って家のゴミ箱に捨てた。
 味の好みは人それぞれだけれど、よくこんなにキテレツな物を売る気になるものだ。軒先を貸している量販店にしても、これでは明らかにイメージダウンだろう。安かろう悪かろうを宣伝しているようなものだ。
 まさかとは思うけれど、マヨネーズを大量にぶっかけて、ようやく口にできるレベルに至る「マヨネーズ商法」なのかもしれない。確信犯なのだとしたら相当に斬新な試みだ。

 たかがタコ焼きと侮るなかれ。マズいタコ焼きは本当に不味い。美味しいタコ焼きができあがるまでに注がれた手間や試行錯誤に気付かされたという点で、100円の授業料は高くはないという複雑なタコ焼き。ご馳走様でした。
 

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by tigersteamer | 2013-02-14 02:33 | 食べ物一般

峠の神様

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 僕が時々、オートバイで遊びに行く近所の山には、細い峠道のカーブに小さな鳥居が建てられているところがある。初めて見た時は宵の口だったこともあり、なんとなく気味が悪くて、そちらを見ないようにしながら通り過ぎた。

 これが何を意味するものなのか、人に尋ねても「ガードレールの代わりなのじゃないか」「ゴミを捨てるとバチが当たるってこと?」と、答えはまちまちだ。
 たしかに、カーブのむこうは落ちたら助かりそうにもない断崖絶壁であり、下を覗き込むとゴミのような物が散らばっているのが見受けられるから、どちらの説も信憑性はある。
 中には「山全体に結界を張るために……」というオカルトじみた説を唱える悪戯者もいた。たしかに鳥居のあるカーブは一箇所や二箇所ではないから、リング・ワンダリングに陥ったような錯覚を受けることがあるかもしれない。臆病な僕は、努めて軽く聞き流しておくことにした。

 どうしても気になるのでインターネットで調べてみたところ、どうやらゴミの不法投棄対策が正解のようだ。わりとポピュラーな手法らしい。他愛もないことのようだけれど、単なる看板や脅迫めいた警告文と比べても、費用対効果は絶大だとのこと。さらに酔っ払いの立ち小便や、めいわく駐車にも効果があるらしい。
 同様の対策としては、道路脇に駐車するとセンサーが感知して警告音が鳴る道などもある。以前、ツーリング中に地図を開こうとして、峠道の途中で脇に寄せて停まったところ、耳障りなブザーが鳴り響いて肝を冷やしたことがあった。それに比べれば格段に安くつく上に、通行者の悪感情を招くこともない。

 常々、宗教的な無節操っぷりが取りざたされるけれど、日本人の信心深さ(迷信深さ?)も捨てたものではない。
 よく見ると鳥居の造作が崩れていて、やや投げやりな手抜き仕事のように感じるのは、本物そっくりに作ると設置した側にバチがあたるかもしれないという思惑からだそうだ。思わずニヤリとしてしまった。穴二つということか。なるほど、ますます捨てたものではない。

 
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by tigersteamer | 2013-02-11 03:14 | 雑記

もう当分の間は行く予定がない

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使った金額7,000円~9,999円
評価(星3つ)
 福岡市民にとっては、おなじみの店だ。実際に料理を食べたことはなくても、店の名前を耳にしたことはあるに違いない。
 最近は、オープンテラスやガラス張りの店が多いけれど、ここはそうではない。窓は広いけれど、店のぐるりに往来からの視線を遮る立木が配置してある。内装や調度品も木製のものが多く、格式の高さや重厚感とは違う味わい深さがある。寛ぎながら、語らいながら、じっくりと料理を楽しめる雰囲気作りができている。訪れたのは二月の中旬だった。寒風吹きすさぶ表通りを肩を寄せ合いながら歩いてきた二人が、重たいコートを脱いで、ほっと一息つくのにピッタリの店だ。

 なんと言っても創業1960年(キリンヤよりは新しい)だ。半世紀以上の歴史に彩られたこの店は、同居している母方の祖母が祖父に連れられて何度も訪れた店であり、結婚前の両親がデートを重ねた店もある。もし僕が結婚相手を連れて来ることがあれば、親子三代、夫婦で利用することになる。
 ・・・なんてことをテーブルの向こうに座っている女の子に話して聞かせたら、ものすごく複雑な、曰く言い難い顔をされて、それっきり誘いに応じて貰えなくなった。今から10年近く昔の苦い思い出だ。断っておくけれど、下心は露ほどもなかった。相手は職場の同僚で、僕とは一回り近く歳の差があったし、好みのタイプとは程遠かった。それにそもそも、ロシア料理を食べてみたいから、ツンドラという店に連れて行ってくれと僕に頼んだのは相手の方なのだ。
 貴重な食べ歩き仲間をなくしたのはもったいなかったけれど、それよりも邪推されたあげくに弁解の余地もなく付き合いを絶たれたのが悔しくて悔しくて・・・。その日を境に、他の女性職員まで態度がよそよそしくなったような気がして、なお虚しくて・・・。

 少し遠回りだったかもしれない。伝わりにくかったかも。このエピソードに隠された意味深なメッセージに、テーブルの向こうに座っている女の子(少し歳上なので、「女の子」と呼ぶにはそぐわないけれど)は気付いてくれただろうか。3回目のデートで、ようやくこの店に誘い出した。この話をするためだ。しかし、さもおかしそうに笑い転げている彼女をみると、少し不安になる。勘ぐられたり、勘違いされたり、気付いてくれなかったり、女性って本当に難しい。

※ 3月3日、正式にフラれました。心模様はツンドラよりむしろ氷雪気候です。
 
店舗情報
ツンドラ
福岡県福岡市中央区大名2丁目7−11

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by tigersteamer | 2013-02-09 11:28 | 食べ物一般