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ついていけない中年の嘆き

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 夜勤開けの今朝、帰路へつく道すがらコンビニへ寄って、ボトルタイプの缶コーヒーと、たまたま目に入ったコーヒー味の氷菓子を手にしてレジへ向かった。寝ずの番の後に車を運転して帰らなくてはならないので、眠気を醒ましておきたかったのだ。と、ここまでは良い。問題はこの後だ。カウンターに品物を置いて財布を取り出したところで店員が言いやがったのである。

「温めましょうか?」

 何のことやら、とっさにはわからなかった。どうやら氷菓子の事を言っているのだと気づいたのは2、3秒の空白を経た後である。何を言ってるんだコイツは、と口にこそは出さないものの、よほど間の抜けた顔をしていたに違いない。店員が訝しげに眉を顰めるにあたってハッと我にかえり、「結構です」と即答して可及的速やかに代金を払い、レシートをクシャクシャっと丸めてポケットに押し込むと後ろも見ずに店を後にした。

 自分の耳を疑った。店員の勘違いでなければ、相当に疲れが溜まっているのかもしれない。まるで自覚症状はないけれど、四十路に差し掛かった身に無理は効かないのだろう。次の休みは出かけずに、家の中でじっとしている方がいいかしら。
 しかし、思い返すだに聞き間違えでも幻聴でもないと確信を強めた。この耳で確かに聞いた。あり得ないことではあるけれど、ひょっとすると氷菓子ではなくて、缶コーヒーについて温めますかと尋ねたのかもしれない。しかし、この炎天下にホットドリンクのコーナーを常設しているコンビニで、わさわざアイスコーヒーを温め直して飲むバカがいるものだろうか。

 あとから調べ直してわかったのだけれど、俺がカキ氷の類だと思い込んでいた物はフローズンドリンクであり、カチカチに凍ったものをレンジで温め、少し溶かしてから掻き混ぜて飲むのが正しいらしい。決め手になったのはスプーンの代わりに添えられていたストローの存在で、どうしたものかと器をこねくり回すうちに調理方法が記載されていることに気がついた。
 なるほど、時代の流れが早いのか俺が遅れているのかは知らないが、昨今は氷菓子をチンして食べるようにまでなっていた。四十路に差し掛かったことを、ことさら意識する機会はそうそうないけれど、知らぬうちに世間様の変化についていけない歳になっていたのかもしれない。そもそも「温めますか」ではなくて「溶かしますか」、もしくは「調理しますか」と聞いてくれれば混乱せずにすんだのだ。とすると、これも日本語の乱れか。ますます年寄り臭い。

 頭が痛いのは一気に食べたフローズンドリンクのせいだと誰にともなく言い訳してみる、そんな茹だるほど暑い昼下がり。
 

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by tigersteamer | 2012-08-09 01:30 | 食べ物一般