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ハイウェイ(オイ)スター

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 来週の頭には監査が控えている。それを踏まえると、昨日今日の連休は自宅で書類仕事に費やすべきで、頼んでもいないのに連休をくれた会社側もそれを想定したからこそなのだろうけれど、人間やるべきことを目の前にすると(やりたくないことだったりすると特に)ついつい目をそらしてしまいがちで、昨夜は夜を徹して部屋の掃除をしてしまった。それも約1年ぶりにだ。悪戦苦闘の末にゴミ溜めをようやく人の住む部屋にまで復元できたのは明け方近くのことだった。
 そうしてやりとげた爽快感に浸りつつ、チリひとつない部屋で大の字に寝転がりながら天井を眺めていたら、いよいよ肝心の書類作成を直視する前にどうしてもやっておかなくてはならない仕事(儀式?)があることを思い出した。このところとんとご無沙汰になっているブログの更新だ。大事の前の小事というのはこの場合使い方が違うけれど、大事に心置きなく集中するためには事前に小事を片付ける必要があるのも事実だ。

 そう思って寝不足でしょぼつく目ををこすりながらパソコンの前に座ったのだけれど、肝心のネタがみつからない。ここ数週間は職場と家の往復で代わり映えのしない毎日だった。厳密に言うと、その間には上司にこってりしぼられたり、他の部署からネチネチ嫌味を言われたり、パートの女の子を泣かしたり、意見の相違で先輩と怒鳴りあったりもしたのだけれど、基本的に仕事のことはブログに上げない主義なのだ。
 記憶の襞を探りつつ思案することしばらく、仕方ないので先先々週末に牡蠣を食いに行った時の話をする。よほど記憶力が良くて、僕の日記を隅から隅まで読んでいてくれている奇特な人なら、ここでアレ? と思ったかもしれない。牡蠣を食べに福岡県糸島郡は船越の牡蠣小屋へ行ったのは先先先々週末の話で、今回はその翌週末に北九州市門司区の門司港レトロへ牡蠣を食べに行った話だ。実はその翌週(先々週の話ね)にもリベンジと称して牡蠣を食べに行ったのだけれど、そこまでくるといい加減しつこいので割愛する。何のリベンジなのかも読んでいただければわかると思う。

 土曜日の昼間、職場のテレビを見るともなく眺めていたら、門司港レトロで催されている、とあるイベントについて宣伝していた。なんでも、来場者に漏れなく焼き牡蠣を無料で振舞っているらしい。牡蠣なら船越漁港で腹の皮がはちきれるくらい食べたばかりだけれど、門司港の牡蠣は一粒牡蠣といって、一般のものと少し違うという。九州の牡蠣が全般に小ぶりであるのに比べて、殻自体が大きく身も肉厚で、味の濃厚さが段違いなのだそうだ。聞けば、イベントは明日までだという。これはひとつ食べに行かなければと思った。
 思い立ったが吉日男としては、そのまま午後は早引けして門司へと旅立ちたい心境だったのだけれど、そういうわけにもいかない。翌日の日曜も午前中は予定が入っていたので、やむなく午後からの出発となった。高速道路を使えば、オートバイで2時間かからないくらいの距離だ。なんの問題もない。

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 途中のパーキングエリアには、地元の美味いもの展的な出店が並んでいた。偶然遭遇したイベントながら、ここに立ち寄るのは予定のうちだ。そしてしこたま詰め込むのも当然の流れだ。メインに牡蠣を食うとはいえ、タダで振舞うということは無料なのは最初の1個だけで、もっと食べたければしかるべき金を払えというのに違いない。もしくは、あるのは無料の1個だけで、有料で購入する分は最初から用意されていない可能性もある。あるいはその場で焼いて食うための設備がないとか。となると他で腹を満たさなければならないわけで、渡りに船だったともいえる。何たる慧眼、何たる深読み、食い物が絡んだときの僕の頭脳はいつにも増して冴え渡るのだ。
 とはいえ、ここだけで1時間あまりを余計に過ごしてしまった点は明らかな失敗だった。そしてトラブルの発端はこのパーキングエリアを出た直後に起こった。

 法定速度を遵守しながら、のんびりとオートバイを走らせる僕の隣を、猛烈な速度で追い抜く者がいた。隣の車線を、ではない。僕の隣を、だ。まあ、それしきの事で熱くなるほど子供ではない。そういうことを好んでやりたがるアホは掃いて捨てるほどいるから、いちいち相手にしていてはきりがないし、最新のツアラーやスーパースポーツ相手に勝ち目のない戦いを挑む気もない。しかし、このときだけは違った。相手はBMWのR1200GSだったのだ。それもアドベンチャーではなくて、キャストホイールの奴だ。

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 追い抜いていったバイクが同じカテゴリーに分類される車種であった場合、相手がTDMやバラデロ、トランザルプなどの国産車であれば追走して擬似マスツーリングを楽しむし、BMWなら意地でも追い抜き返すけれど、ドゥカティのムルティストラーダなら最初から見なかったことにする。ここいらへんの微妙で繊細で複雑な心理をオートバイに乗らない人が理解するのは難しいし、たとえ乗っている人であろうとわかってもらえるとは限らない。同じアルプスローダーであっても、あるいは同じトライアンフであっても、もっと細かく言うなら同じタイガー乗りでもわからないかもしれない。ただ、僕は一人のタイガー900乗りとして、己の信ずる道を選んだ。「GO OWN YOUR WAY」というやつだ。すなわちギアを2つ叩き落として追撃を開始したのだ。

 大振りなスクリーンを持つGSと比べると、僕のタイガーの鎖骨の辺りまでしかないカウリングは心もとないことこの上ない。余裕を見せ付けつつ大仏乗車をキープすると、風圧で上半身を持っていかれそうになる。フルフェイスの中では笑顔を絶やさなかったつもりだけれど、ひょっとしたら苦悶にゆがんでいたかもしれない。そうして必死にハンドルにしがみついて、気がついたら関門海峡大橋の付け根にいた。門司出口ははるか後方だ。高速道路なので、行き過ぎたからといってちょっとUターンというわけにもいかない。
 時間は3時を回ろうとしていた。めかりPAで休憩しつつ思案する。次のインターで高速を降りて引き返すのも悪くはないけれど、寄り道のせいで時間的な余裕がなくなってしまった。着いたころにはイベントは終わっているに違いない。こうなったら下関まで行こう。門司にあるものが下関にないはずがない。
 タダで食える一粒牡蠣が惜しくはあったけれど、不思議と後悔はなかった。こういうくだらないことに血道をあげるのが単車乗りなのだ。それに加えて人間が馬鹿なのだから仕方がない。

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 久しぶりの唐戸市場だった。H.O.G(ハーレーダビッドソン・オーナーズ・グループ)のミーティング以来だ。あの時は人いきれと潮の匂いでむせ返るようだったのに、その日は閑散としていた。考えるまでもなく、夕方だったからだ。一粒牡蠣を探す以前に、売れ残っているものを探し回らなくてはならなかった。

 戦利品はなかなかの物だった。ふぐ刺ぶっかけ丼、ふぐの味噌汁、大トロ×4、中トロの炙り×2、マグロの脳天、イカ×8、厚焼き玉子×3と、これでしめて1200円。さすが魚市場のタイムセールはモノが違う。デザートは後味の濃厚なウニのソフトクリーム、絶妙な組み合わせが織り成す味はすごい、美味い。
 さて、肝心の一粒牡蠣とはその次の週にめでたくご対面とあいなったのだけれど、それはまた別のお話。もとい、おそらくここには書かない。面白くなさそうだし、何より昨晩から起きているので眠い。おやすみなさい。
 

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by tigersteamer | 2012-02-27 10:50 | ツーリング

ソロツアラー宣言

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 先週の日曜日に牡蠣小屋へ行ってきた。むろん、一人でだ。
 一週前にオートバイ仲間が数名で食べに行ったという話を伝え聞いてから、どうしても我慢ができなくなった。といっても、うちは内陸部なので、牡蠣小屋のある海べりとは距離がある。仕事が終わってからぶらりと寄って帰るというわけにもいかない。そこで渋々日曜を待った。本当なら、ここでメンツを募って、計画を立ててから実行に移すとまた違う楽しみができるのだろうけれど。

 もともとさほど牡蠣が好きというわけではないけれど、さすがに旬だけあって旨かった。去年の教訓を生かして、おにぎり等のサイドメニューがある店を選んだ。とりあえず牡蠣を5カゴと、おにぎりを6個、海老と烏賊を注文した。簡素な竈の前にどっかと座って、次から次に焼いて食う。前回とは違って天気もよく、絶好のオートバイ日和だった。行き帰りの行程も楽しかったし、そのせいか食も進んだ。

 たしか去年の今頃だ。なんだか色々煩わしくなって、来年はソロツアラーとしてやっていこうと誓った。もともと人付き合いが苦手なこともあって、なにも休みの日にまで集団行動をしなくてもいいと思ったのだ。
 思い返すに、この一年は決して悪くなかった。やせ我慢ではなくて、一人が性に合っているとしみじみ思った。時には人恋しくもなるけれど、来年も基本的にはソロで行こう。時々、寂しくなったらマスツーにも参加しよう。そして念願のキャンパーに返り咲けますように。そのためには、まず有給を貰う勇気を。事務所のお局様を前に、臆さず申請書を出せるようにならなくては。

 歳を追うごとに社会生活が苦手になりつつあるような気がしないわけではないけれど、まあいい。せっかくの休みなんだから、ひとりになれる時間って大切だと思う今日この頃です。
 

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by tigersteamer | 2012-02-01 01:16 | ツーリング