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そして大台へ

 
b0190505_0392190.jpg 特になんてことはない。昨日は僕の誕生日だっだけれど、この歳になってハッピバースデーもないもんだ。最近はめっきり辛くなってきた夜勤明け、前の晩からから何も食べていなかったのを思い出して急に空腹を覚え、帰宅の道すがらココイチへと寄った。

 メニューを開いたらグランドマザーカレーがあった。年がら年中フェアをしているようだけど、実際には8回目で、ついでに今回が最後だそうだ。根強いファンがいるのは確かなのだろうけれど、これが特別に美味いというわけではない。個人的に、豚バラ肉のスライスはカレーにはあわないと思っている。しかし、今を逃すともう二度と口に入らないようだ。せっかくだからそれを注文した。

 そうしたら創業記念だかのクジを引かされて、で、スプーンが当たった。

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 嬉しいよ。なんだろう。嬉しい。
 いつもならミスド式にポイントを溜めないと貰えないデザインスプーンが、こんなに簡単に手に入った。最後ということだし、確率的に低くないのだろう。大盤振る舞いだったに違いない。特別なスプーンを貰ったからといって、普通のカレースプーン以上の使いでがあるわけではない。それにしても嬉しい。どこか上の方で僕のことを気にかけてくれていた誰かが、ほんの少しだけ祝福してくれたのかもしれない。なんか好い事がありそうな気がする。



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 調子に乗って2杯目を頼んだら、今度は外れた。

  
 
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by TigerSteamer | 2012-01-21 06:54 | 食べ物一般

今年もあの日がやってくる

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 もうずっと昔の話だ。
 当時小学校の低学年だった僕は、好きだった女の子に小さな嘘をついた。この歳になるまで、色んな嘘をついてきたし、それについていちいち憶えてはいないけれど、記憶している限りでは最初の嘘だ。

 いつもとかわらない学級の光景に、なんとなくウキウキとした、それでいて厳かな、なんとも言いようのない雰囲気が漂う時期がある。普段は男子と女子の二つに分かれて交わることの殆どないグループが、この日だけは一つの関心事に集中する。一年にいちどのバレンタインデーを直前に控えて、男の子と女の子はまったく別の感慨を抱きながら、同じ空気を共有していた。
 仮にヨーコちゃんとしておこう。
 オーバーオールの似合う、活発で髪の長い女の子だった。スポーツが得意とか、勉強ができるとかお洒落だとか、そういうめだつ存在ではなかったように思う。ただ、誰にでも気さくに話しかけることができる女の子だった。
 前の年の春に、北海道から福岡に引っ越してきた僕は、そろそろ一年がたとうというのに、まだクラスになじめずにいた。お調子者だった性格はなりをひそめ、いつも教室の片隅で静かに本を読んでいた。みんなと一緒に遊びたいのに、なんと言って仲間に加わればいいのかわからない。そんな悩みを抱えてウジウジしていた僕にとって、ヨーコちゃんの存在は唯一の救いだった。

「ずるいと思わない?」
 いつもいきなり話しかけてくるのだ。僕の胸はおさえようがないくらいドキドキした。いつもクラスの真ん中の方にいるヨーコちゃんが、ときどき疲れたようにして僕に歩み寄ってくる。かしましいクラスメイト達を冷めた目で眺めながら、独り言のようにして声をかけてくる。僕はその瞬間をいつもいつも心待ちにしていた。
「えっ」
 そしてただおろおろする。もっと落ち着いて、話したいことは沢山あるはずなのに、なにも思いつかない。
「女の子からチョコをあげるのにさー、男の子からは何もお返しがないじゃない。これってずるいよねー」
「そ、そうだね」
「女子だってはずかしいのにさー」
「うん」
 僕は必死に考えていた。いつもふたことみことで終わるヨーコちゃんとの会話を、できるだけ長く伸ばすために。
「男の子はマシュマロをあげるんだよ」
 口をついてでた。苦し紛れの一言だった。
「女の子がくれたチョコレートのお返しに、両想いのときだけだけどね」
 僕はずるくないよ。ヨーコちゃんが僕にチョコをくれたら、僕は他のみんなには内緒でお返しをするよ。そう続くはずだった言葉は、途中で途切れてしまった。
「それほんとう?」
 遠い土地からやってきた転校生は、この日はじめて、自分が転校生であることを利用した。
「うん、僕のもといた学校じゃそうだったよ」

 黒くて硬いチョコーレートのお返しは、白くて軟らかいマシュマロ。とっさに、子供なりに必死に考えたデマカセだった。僕の周りには、あっという間にクラスの女の子達の垣根ができた。
 嘘は、あっという間に学校中を駆け巡った。その日の昼休みには、他のクラスの女子までがわざわざ僕の席までやってきて、詳しい話を聞きたがった。
「マシュマロの代りに、ホワイトチョコでもいいんだけどね」
 北海道ではそうなんだよ。むしろホワイトチョコの方が多いかな。あれは北海道のお菓子だからさ。真実味を増すためにオカズまで付け足した。大勢に囲まれて、僕は有頂天だった。長いあいだ潜めていた、にあがり者(博多弁で、お調子者の意)の血が騒いだ。

 そしてその数年後、今度は福岡から沖縄に引っ越した僕は、そこでどこかで聞いたことがある行事のことを知った。3月14日はホワイトデーといって、バレンタインデーでチョコを貰った男の子が、お返しにマシュマロをプレゼントする日だという。
 起源には諸説があるし、誰も信じてはくれないし、何も主張する気はないけれど、これだけは謝っておきたい。あの忌まわしい日がとってつけたように生まれた背景には、ひょっとすると僕のついた嘘が関係しているかもしれない。貰ったチョコのお返しは三倍にして・・・などという、噴飯もののお約束に、毎年頭を悩ませている人もいるだろう。まことに申し訳ない。

 女性の多い職場だから仕方がないといえば仕方がないが、毎年安っぽい義理チョコのお返しに奔走しているのは僕も同じだ。深い意味はないよといわんばかりの安物であるにもかかわらず、礼を失すると途端に針の筵に座らされるはめに陥る。それにしても、毎年こんなに苦労しているのに、翌年の本命チョコにはまったく反映されない。これはひょっとすると、昔ついたつまらない嘘の報いなのかもしれない。
 

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by TigerSteamer | 2012-01-20 02:06 | 食べ物一般

とんかつ屋後日談

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 近所のトンカツ屋が、いつの間にかラーメン屋になっていた。
 以前の記事で、カツ丼とカツ重について愚にもつかないを主張をした、あのトンカツ屋だ。いつか一番高いメニューを食べてやろうと思いつつ、とうとう最後まで行かずじまいだった。後に噂で聞くところによれば、「東京X」だの「きなこ」だの壁に張り出してあった数々のブランド豚は、あくまで宣伝のためのポーズであって使い分けていたわけではなかったらしい。それが本当で、不当に値段が高いだけの店だったのだとすれば、行かなくて正解だったとも言える。

 新しくできたラーメン屋は、トンコツをメインに謳っていながら味噌ラーメンも出すという、あまりポリシーを感じない店だ。もちろんチェーン店で、僕も何度か他の店舗に足を運んだことがある。この主義主張のなさは最近の流行りのようで、他の店でもしばしば目にするから、トンコツの本場である福岡だろうと、とりたてて話題にするほどのことではない。
 しかし、店の中に入ってみてギョッとした。店内がとんかつ屋そのものだったからだ。居抜きで買って看板だけ変えたのかとも思ったけれど、よく見ると壁に張り出してあるブランド豚までもがそのままだった。おそらくオーナーは同じ人物で、扱う物を変えただけなのに違いない。なんとなく人となりが分かるような気がするけれど、だからと言ってブランド豚が放置してある理由にはならない。ぱっと見てさほどの違和感は感じないのだけれど、焼酎の銘柄かと思って注文したとしても、客の勘違いでは済まされないように思う。通ぶった客が、知りもしないのに「糸島をお湯割りで」などと注文してきたら、どう対応するつもりだろう。
 もしや、ひょっとするとと思って尋ねてみた。

「トンカツを頼んでもいいんですか?」
「いえ、トンカツは扱っておりません」
 心底、不思議そうな顔をして店員が言う。やめておけばよかった。当たり前だ。ラーメン屋にきてトンカツを頼む客はいまい。我ながらバカな質問をしたと思った。
「じゃあ、あの豚肉のリストはなんのために?」
「ああ、あれですか」
 途端に店員の滑舌が悪くなった。
「あれは」
「はあ」
「チャーシューです」

 うそつけ
 


 そしてこれが本当の後日談
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by TigerSteamer | 2012-01-14 02:24 | 食べ物一般

自分で調べたまえ

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by TigerSteamer | 2012-01-06 19:21 | その他