かえすがえすも残念なのは

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 SSTRに向けてタイヤを新調した。メッツラーのツアランス・ネクストだ。皮むきがてら400kmほど走ってきたのだけれど、ちょっと驚くくらいのハイパフォーマンスだ。しかも安い。
 こんなに上手かったかしらと勘違いしそうになるくらい、ヒラリヒラリとバンクする。ステップを擦るくらい寝かしこんでも、ぜんぜん不安感がない。コーナーが楽しい。逆に直進安定性は低下したようにも感じる。わずかな挙動でも敏感に反応するから、低速ではふらつきの元だ。もっとも、以前履いていたタイヤは長期間の使用で段減りが凄まじく、ほぼ台形と言っていい扁平率だったから、あまり比較対象にはならないけれど。

 特筆すべきはまだある。なんとヒゲがないのだ。タイヤの縁にはスピューと呼ばれる細い突起がある。製造工程でできる空気穴の名残で、普通は使っているうちに磨耗して消えていくものなのだけれど、僕のオートバイはなぜか(ヘタクソとか言うな)最後まで残っていた。端っこまで使うのが必ずしも上手いライディングとは言えないし、そういった用途のオートバイではないから仕方がない。しかし、タイヤを余すところなく使い切れるか否かは、ライダーにとって気がかりの一つといってもいい。どんなに高価で高性能なオートバイに乗っていても、タイヤの真ん中しか減っていないと蔑みの対象にしかならない。
 もっともヒゲがあるのは安物の証拠でもあって、高級なものには最初からついていない。空気穴を必要としない金型を使用するか、あるいは綺麗に削り落としてから出荷するからだ。逆に言えば、いつまでたっても消えないヒゲというのは、下手と貧乏の二重苦をアピールしているわけでもあり、オーナーを非常に忸怩たる気持ちにさせる。「サーキットを走るわけじゃないんだから」などと自分に言い訳しつつ、あえてそこから目を逸らすのは、確実にオートバイに乗って出かける気力を削ぐ。ツーリングライダーにとっては深刻な問題だ(僕だけか?)。いっそヤスリで削ろうかしらなどと思ったり、実行したら負けだと自分に言い聞かせたり。

 聞き苦しいのを承知で言い訳させてもらうけれど、なにも好き好んでグレードの低いタイヤを履かせていたのではない。それしか手に入らなかったのだ。もともとロードタイヤには稀なサイズで選択の幅は狭かった。そこにきて、ちょうど前回の交換時期がBMWの新型発売と重なり、一時的に品薄状態となっていた(「モトラッドが買い占めたから」だとバイク屋は言っていた。真偽のほどはわからない)のだ。げににっくきはBMW-GSだ。選択の幅が広がったのは昨今のアルプスローダー人気があるからで、ひいてはBMWの新型が売れに売れたお陰なのだけれども。

 さて、この高いコストパフォーマンスをもつメッツラーのツアランス・ネクストだけれど、それとは別にして残念に思うことがある。カタログには「驚異の耐久性を実現した〜」云々と書いてあったけれど、これだけコンパウンドを奢ってあるということは減りも早いということだ。SSTRの往復は95%が高速道路だから、あとは推して知るべしだ。そのために新しいタイヤに変えたわけだけれど、帰ってきた時には元の扁平タイヤに戻ってたなんてことにならなければいいけれど。
 

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by TigerSteamer | 2014-05-09 08:37 | オートバイ | Comments(0)
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