眼鏡ライダーの夢

b0190505_181715.jpg
 メガネを掛け始めたのとオートバイに乗り始めたのが、ほぼ同時期にあたる。これは単なる偶然ではなくて、オートバイの免許を取得するための視力検査を、裸眼ではクリアできなかったからだ。途中でコンタクトレンズやレーシック手術に憧れた時期もあったけれど、概ね人生の半分である二十年を、この二つの道具と過ごしていることになる。とはいえ、思ったほどに感慨が湧かないのは、同じ物をずっと使い続けているわけではないからだ。メガネもオートバイも(それ以外の物も)同様に、あまり道具を大切に扱わない質で、壊れる度にとっかえひっかえを繰り返してきた。

 オートバイはGB250クラブマンを皮切りに、VT250スパーダ、VFR400R、CB750F、ブロス Product1とホンダ車を乗り継ぎ、ちょこちょこメーカーを変えた後でトライアンフに落ち着いた。メガネはHOYAの一辺倒だったのが、数年前にシルエットというオーストリアかどこかのメーカーに乗り換え、それがあまりにヘルメットとの相性が悪くて、現在はメガネ21で購入したFit-Schoolというモデルを愛用している。
 どちらも今のところ気に入っていて、できれば長く使いたいと思っている。我ながら成長したものだ。逆に言えば、愛着を感じられる物がなかったから、同じ物を長く使うこともなかったのかもしれない。

 オートバイとメガネの遍歴を語ったわけだから、次はヘルメットについても触れておかなければならない。こちらは遍歴などない。SHOEI一択だ。今も傷だらけでボロボロになったRFXを、かれこれ5年近く使い続けている。一回でも強い衝撃を与えると買い替えを推奨するヘルメット業界にあって、これはリスク無視も甚だしい。一種の危険行為だ。しかし、他人より頭がデカい上に不格好で、このメーカーの物しか入らないのだから仕方がない。長年かけて育て上げた帽体のヤレ具合がちょうど良くて、おいそれと手放す気にはなれずにいる。

 さて、そのメガネ21のウェブページで、もうずーっと前から「準備中」と表示されている商品がある。何を隠そう、フルフェイスヘルメット用メガネ Fit-Bikeだ。僕の記憶が確かなら、「準備中」の前は「開発中」だった期間もあったはずで、いずれ「発売中」になるのは時間の問題なのだと思う。

b0190505_181610.jpg

 フルフェイスをかぶる時のメガネには、ツルが適度に硬く耐久性があって、耳の部分の反りが緩やかな物が適している。前出のシルエットというメーカーの製品は、NASAの宇宙パイロットが愛用しているというのが売り文句だったのだけれど、前者において致命的な弱点を抱えていていて、使いにくいことこの上なかった。安月給の身としては少々値の張る買い物だったので、眼鏡屋のセールストークを鵜呑みにした自分の馬鹿さ加減に、後悔もひとしおだった。
 その点でFit-Schoolは遥かに使い勝手が良いのだけれど、やはりデザイン重視でツルが細い分、心もとなさが残る。僕のように頭が大きいと、顔と帽体の間に無理やりツルを押し込まねばならず、左右のツルとヒンジに相当な負荷がかかるからだ。

 着せ替えメガネに、片目メガネ、鼻パッドなしメガネと、数々のユニークで斬新なメガネを世に出しているメガネ21のことだから、もちろん抜かりはないだろう。それに、単なるフルフェイス用メガネなら、他のメーカーが既に作っている。「準備中」の長さから想像するに、コロンブスもびっくりの、斬新なメガネができあがるに違いない。もしかしたら、究極の問題点を解消した「絶対に曇らないメガネ」か、あるいは「かけたままフルフェイスを被れるメガネ」かもしれない。実現したら世紀の大発明だ。
 発想の転換で、頭部に装着するのではなく、ヘルメットにマウントするのはどうだろう。最近はやりの、インナーバイザー付きヘルメットのイメージだ。帽体に固定するアタッチメントさえ頑丈なものができれば、あとは簡単なような気がする。ヘルメットを脱いでいる時用に、メガネをもう一つ常備する必要があるけれど、普段使いのメガネと共用にしなくても良い分、無理に軽量化を図らなくても構わないという利点が生まれる。

 そんな風に、あれこれ想像して楽しめるのも、それを作るのがメガネ21というメーカーだからだ。決してマイノリティを見捨てず、むしろそこからビジネスチャンスを掴もうとする姿勢が素晴らしい。虎は群れない。では、そんなメガネ21を心から応援しています。

 後日談 犬に絡む迷惑な客
 

[PR]
by tigersteamer | 2013-05-01 23:54 | オートバイ
<< 犬に絡む迷惑な客 第三の趣味 >>