黒死病

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評価(星5つ)
 ツーリングに行った先で、弁当代わりに買い込んだ、通称「ぶさいく餅」を食った。製造者が聞いたら気を悪くしそうなネーミングだが、見た目の悪さに反して実に美味い。皮もさることながら餡子が素晴らしい。

 食べるたびに驚く。この醜悪極まる見た目、一世紀以上も前に根絶された皮膚病の患者が、ちょうどこんな感じだったのではなかろうか。一つ一つラップで巻いてあるのだけれど、ぱっと見は青カビの菌床であり、皿よりもシャーレが似合う。とても蓬餅とは思えない。形もまちまちで、ところどころジゴ(筑後弁で内臓の意)が出ている。よくぞ売り物にする気になったものだ。この思い切りは個人商店でなければ不可能だ。
 味はと言えば、ネットリもシットリもしていなくて、その上ちっとも甘くない。ジジババが言うところの「砂糖屋が遠かった」というやつだ。なのにこのバランスの良さはなんだ。通ぶって言うわけじゃないが、甘い餡子をありがたがってるうちは、小豆の本当の美味しさをわかっていないも同然だ。口に入れると、パラパラっとほぐれて、後からほのかな甘さが追いかけてくる。新鮮な餡子って甘いんですね、などと頓珍漢なことを口走りそうになる。ついさっきうちの畑で採れたものを蒸かしたので、まずは味をつけずに食べてください。香り付けに柚子を絞っても美味しいですよ。

 さんざん絶賛したけれど、入手方法は教えない。遠方にお住まいの方は一生口にせずに終わるだろうし、なまじ近くたって見つけ出すのは容易ではなかろう。一日20個しか販売していないから、万がいち口コミで広がって品薄になろうものなら、悔やんでも悔やみきれない。
店舗情報
ないしょ

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by tigersteamer | 2013-03-05 03:37 | 食べ物一般
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